技術2007年2月14日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)開発研究所は、移動ロボット等の車輪駆動用として、制御性能が高く、かつ省スペースを実現するエンコーダレスサーボモータを開発しました。 |
1. 開発のねらい |
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近年、ロボットの用途は産業用途だけでなく一般社会へも広がり始め、掃除ロボットや監視ロボットなどが実用化されてきています。これらのロボットの多くは、車輪による移動機構をもったものです。車輪型移動機構には、直進走行のほかに2輪の回転数の差により旋回を行なう2輪差動移動方式や、オムニホイルなどによる複数個の車輪をそれぞれ制御して直進や旋回を行なう全方向移動方式などがあります。いずれの方式でも走行環境にかかわらず正確に移動する必要があり、そのためには車輪に直結される駆動用モータの回転位置・速度を制御する必要があります。またモータは、コンパクトであることはもとより、車輪の振動に対する耐振性も重要です。 |
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2. 主な特長 |
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<エンコーダなしで位置速度制御を実現> |
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当社独自のサーボ制御技術とモータ技術により、エンコーダ(位置速度検出器)を用いずにモータの速度制御、トルク制御のみならず位置制御も可能としました。これにより、きめ細かな車輪の制御が可能です。 |
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<コンパクトでシンプル> |
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エンコーダを用いず、さらに減速機もモータと一体化することにより、車輪駆動部の全長を50%減(当社比)とコンパクト化を実現しました。また、エンコーダケーブルも不要ですので、モータへの接続線はモータケーブルのみとなりシンプルな構成になります。これらのことから車輪駆動部の省スペース化を図ることができます。 |
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<耐振性向上> |
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エンコーダは精密部品から成るため、このエンコーダを用いないことにより電子部品やコネクタなどの振動に弱い部品が少なくなり、耐振性を10Gと向上することができました。(当社比200%) |
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3.外観 |
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エンコーダレスサーボモータの外観 |
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4.主な仕様 |
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(1) モータ仕様 | ||||||||||||||||||||||
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(2) 車輪への装着例 | ||||||||||||||||||||||
搬送重量約100kg、人の歩行速度と同程度の4km/hとして開発された移動ロボットの車輪へ装着した例を示します。 |
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車輪への装着例
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5.主な用途 |
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位置・速度制御が必要な移動ロボットなどの車輪駆動部 |
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6.今後の展開 |
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移動ロボットへの適用を進めるとともに、さらなるモータ構造の最適化や制御性能向上に取組んでまいります。 |
[お問い合わせ先] |
株式会社 安川電機 |
技術開発本部 |
開発研究所 |
メカトロ技術開発グループ |
井手 耕三 |
Tel.(093)571‐6317 |
Fax.(093)571‐6028 |