当社は長期経営計画「2025年ビジョン」において、ダイバーシティ(人材多様性)推進を掲げ、多様な人材の強みを生かせる風土づくりに取り組んでいます。変動の激しいグローバル市場にスピーディに対応するため、企業の進化と競争力強化を目指し、次の3項目を人材多様性推進のミッションとしています。
人材多様性推進のミッション |
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2015年に創立100周年を迎えた当社としては、次の100年のさらなる成長に向けて今まで積み上げてきたことを確実に継承すると共に、新たなイノベーションを生み出す風土改革としてダイバーシティ推進をさらに加速させます。グローバルにおける“One YASKAWA”をイメージとしたサステナブルな経営基盤の構築を進めていきます。
人々の価値観が変化し、仕事において各自の個性やライフスタイルを重視する人が確実に増えています。当社グループは、グローバル企業として世界を駆け巡る働き方ができる一方、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を選択し、生産性を上げて成果を出せる環境整備を確立する制度の拡充を進めています。
さらに、評価・報酬制度を整備し、年功での知識・スキルの蓄積を評価する考え方を弱め、職務を遂行し得られた成果を公平に評価し、一人ひとりが担う役割と職務の大きさをベースにした報酬を可能とすることで、働きがいを高める取り組みを行っています。
このように当社グループでは、多様な働き方ができる労働環境・制度が整備され、持続的にダイバーシティを推進・拡大するための「土壌」は既に出来つつあります。
また、当社グループが100年の歴史の中で築き上げてきた強みのひとつが「自由に発言でき、新しいことにチャレンジができる社風」です。
“One Yaskawa”を合言葉にチーム一丸となり、職位、性別、国籍、社歴、学歴、勤務体系、ライフスタイルなどの垣根なく、全ての従業員がワークライフ・マネジメントを向上させ、働きがいを持ち各人の能力を最大限に発揮することが、イノベーションを生み出す原動力だと確信しています。
今後、さらにDX経営を進化させ、人財データを可視化、人財マネージメントを強化することで多様な人財が活躍できる環境整備を進めていきます。
今後とも、皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長 小川 昌寛
VUCA*1の時代、取り巻く経営環境の変化にスピーディに対応するため、当社は、次の100年も成長し続ける企業となるため企業の進化と競争力強化を目指し、日本社会の課題となっている女性活躍のみならず、多様な人材の強みを生かせる風土づくりに取り組んでいます。
働き方改革によるワーク・ライフ・バランスの推進はダイバーシティ推進の要であると同時に、その両立は、企業発展のために必要不可欠なものと位置付け、取り組みを強化しています。フレックスタイムや積立休暇の時間単位取得、2021年度から全社に拡大したテレワーク制度の活用などにより、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が選択でき、生産性を上げて成果を出せる環境を整えました。
ライフイベント支援としては、イクボス座談会の開催や、育児休職取得者向けに、出産・育児がキャリアロス(離職や失速)とならないよう仕組みをつくり定着に取り組みました。また、育児・介護休業法改正に伴い、産後パパ育休の新設等、男女問わず、育児休職取得を希望する方がこれまで以上に取得しやすい環境を整えています。
*1: Volatility Uncertainty Complexity Ambiguityの頭文字を取った造語で、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態のこと
当社単体では、技術立社のメーカーとして技術系採用が多く、その母数となる理系の女子学生の比率が少ないこともあり、結果として女性従業員の比率が低いという課題を抱えています。当社が毎月実施しているES(従業員満足度)アンケートの中でも、ダイバーシティを定期的にテーマとして取り上げており、直近のアンケート結果では、管理職を目指したい女性従業員の割合が向上している一方で、男女の性別役割意識については改善傾向にはあるものの、依然として男女でギャップがあることが分かりました。これらのアンケート結果を経営層、従業員にフィードバックして当社の現状を見える化するとともに、当社がジェンダーダイバーシティ推進に取り組む意義についても外部環境、内部環境の観点から周知を行っています。
具体的な取り組みとしては、サステナビリティ方針に基づくマテリアリティの1つとして、女性管理職比率を2025年度に2021年度比2倍(単体)にする目標を掲げています。この目標の達成に向けて、文系理系職問わず女性採用を積極的に推進しています。また、女性管理職育成のための研修を実施し、スキルアップやマインドチェンジのみならず、女性社員を育成する職場管理職の意識変革や関わり強化の取り組みも実施しています。
女性キャリアアップ研修の様子
2023年度から新中計「Realize25」がスタートしました。今回、この方針および、サステナビリティ方針に基づき、より実行力のある「行動計画」を新たに策定いたしました。
当社では、女性の管理職登用が業界平均と比較して進んでいない、社内意識調査においてジェンダーギャップ(バイアス)の存在が見受けられる等の課題を抱えています。これらの課題を克服するために、女性の管理職登用に向けた取り組みやダイバーシティとインクルージョン(D&I)活動の更なる強化を行い、女性活躍推進を着実に進めていきます。
なお、育成はOJLを主としながらも、外部交流や他社とのコラボレーション企画などを通じて、視野・視座の拡大、ネットワークの構築などを積極的に行っています。
障がいのある従業員の誰もが、職場において障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いの人格と個性を尊重し合いながら、能力を伸長しつつ共生・協働できる職場環境の実現を目指しています。
2020年には「障がいのある従業員の職場受け入れ手引き」を作成し、障がいのある従業員を受入れる職場の従業員が円滑に受入れを進めるためのポイントについてまとめ、社内の「障がい者雇用関連ホームページ」にて周知しています。
当社グループは世界各国に拠点があることから外国籍従業員の割合が徐々に増え続け、現在では外国籍従業員が連結従業員の約半数を占め、多様な国籍の人材が各拠点で活躍しています。また当社グループ全体では、従業員の約2割、管理職の約1割を女性が占めています。
地域別従業員割合(2024年2月29日現在)
間違った知識や理解、思い込みによりLGBT(Q+)当事者を傷つけたり、能力の発揮を妨げたりすることがないように、正しい知識の入手や理解する姿勢が必要であると私たちは考えています。
取り組みの第一歩として、2018年、2019年度に従業員に意識調査を実施し、「LGBTに対する偏見や無理解な行動が人権問題であることの理解状況」については、96%の方が理解していると回答しました。2022年度には全社員を対象に「アンコンシャス・バイアス*チェック」を実施し、「アンコンシャス・バイアス」についての啓発活動を行いました。今後も広く多様な人材の活躍支援に資する取り組みを進めていきます。
*アンコンシャス・バイアスとは、無意識の思い込みや偏見。
男女遜色ない平均年齢、平均勤続年数であり、女性にとって子どもを育てながら働き続けることができる就労環境を築いてきたことは当社の誇りです。しかしながら、リーダー層となると女性部課長層14名、係長層57名とまだまだ少数であるのが現状です。引き続き、女性活躍推進行動計画に沿ってキャリア支援を実施していきます。
採用した労働者に占める男女の割合(2023年度実績)
計 | |
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女性 | 13 人(16.2%) |
男性 | 67 人(83.8%) |
計 | 80 人(100.0%) |
男女の平均勤続年数の差異(2024年2月29日現在)
正社員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | |
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女性 | 376 人 | 42.3 歳 | 16.1 年 |
男性 | 2,756 人 | 40.9 歳 | 19.0 年 |
合計 | 3,132 人 | 42.1 歳 | 18.6 年 |
女性割合 |
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12.0% |
労働者の各月ごとの平均残業時間数(2023年度実績)
残業時間 | |
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女性 | 12.2 時間 |
男性 | 20.9 時間 |
全社員 | 19.6 時間 |
※管理職等、裁量労働制対象の社員を除く
管理職に占める女性労働者の割合(2024年2月29日現在)
管理職 | 管理職割合 | 主事層 | 主事層割合 | |
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女性 | 14 人 | 2.4% | 57 人 | 5.9% |
男性 | 568 人 | 97.6% | 905 人 | 94.1% |
計 | 582 人 | 100.0% | 962 人 | 100.0% |
※「管理職」とは、課長職もしくは課長相当以上を指します。
課長昇格割合(直近3事業年度平均)
昇格割合 | |
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女性 | 25.0% |
男性 | 9.1% |
男女別の育児休業取得率
(2023年度実績)
取得率 | |
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女性 | 100.0% |
男性 | 56.6% |
配偶者出産休暇取得率
(2023年度実績)
取得率 | |
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男性 | 78.9% |
有給休暇取得率(2023年度実績)
付与日数 | 取得日数 | 取得率 | |
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全社員 | 20日/人 | 15.4日/人 | 76.9% |
※以上の数値は、役員、嘱託、契約社員、エルダ・シニアスタッフ、派遣社員を除く
多様なキャリアコースに関する状況(直近3事業年度合計)
実施した措置 | 人数 | |||
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直近の 3事業年度 |
通常の労働者への転換、派遣労働者の雇入れ(女性) | 0 人 | ||
再雇用(通常の労働者としての再雇用 ※定年後の再雇用を除く) | 1 人 | |||
おおむね30歳以上の女性の通常の労働者としての中途採用 | 22 人 |