経済の状況、社会のあり方の変化に伴い、多様な社員一人ひとりが最大限に能力を発揮することが会社の中長期的な成長に必須です。そのためにも生産的でメリハリのある働き方へ変革するとともに、仕事とプライベートのバランスをマネジメントし、安心して働くことができる職場環境の実現を目指しています。
時間や場所にとらわれず、生産性を上げて成果を出せる環境を整備するため、テレワーク制度を導入しています。併せて、ICTの活用により、遠隔でも上司と部下が日々の業務の計画と実績などの確認やコミュニケーションを行うためのツールを導入し、公平に評価できる仕組みを整備しています。
さらに、多様な人材の活躍を促すため、転勤のあり方を改めて見直し、事由を問わずライフイベントに応じて選択・解除ができ、かつ処遇の変更を伴わない「エリア限定制度」を導入しています。
また、男性の育児休業の取得を通じてワークライフマネジメントを改善し、生産性と働きがいの向上を図ります。なお、男性の育児休業取得率は56%(2023年度)です。
2017年度から積立休暇の時間単位での取得、在宅勤務制度、また、配偶者の海外転勤を事由とする休職制度を導入しました。働き方の選択肢を増やし、育児・介護と仕事の両立を支援しています。特に育児については、2018年度より、両立支援の制度導入や利用が進み高い水準の取り組みを行っていることが評価され、厚生労働大臣より「プラチナくるみん認定」を受けています。
2021年4月には、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が選択でき、生産性を上げて成果を出せる環境整備の確立などを目的に、従来の事由や日数に限りのある在宅勤務制度に替え、新たにテレワーク制度を導入しています。 仕事と育児・介護・治療などの両立が必要な多くの社員がこのテレワーク制度を利用することで、継続的に勤務できる労働環境の実現が可能となりました。
当社の育児介護支援制度の一部をご紹介します。
勤務時間の短縮 | 育児・介護中の社員は、一日につき実働6時間までの短縮ができます。※育児の場合、子供が小学校を卒業するまで |
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配偶者出産休暇(有給) |
配偶者の出産予定日前8週間・産後8週間以内に、5日間の休暇を取得することができます。※分割取得可能 |
産後パパ育休 |
配偶者の出産後8週間以内の期間に、最大4週間まで休職を取得することができます。※分割取得可能 |
積立休暇(有給) | 入社後2年度目から年間3日の積立休暇を付与しています。積立休暇は最大30日間保有でき、育児やPTA活動、介護などの事由で利用可能で、一日単位・半日単位・時間単位で取得可能です。 |
テレワーク |
在宅勤務(自宅や要介護者の自宅、親族の自宅等)はもちろん、社内サテライト勤務やモバイル勤務が可能な制度で、上司が認めれば、日数や利用単位の上限はありません。 |
当社では病気を抱えながらも、働く意欲・能力のある従業員が適切な治療を受けながら生き生きと就労が続けられるよう、また安心して働くことができるよう2018年より「両立支援コーディネーター」を配置しております。
積立休暇は、育児や介護事由以外でも、自己の治療・療養のほか、ボランティア活動や自己啓発などにも利用可能です。近年では自然災害が増加していることもあり、多くの社員がこの積立休暇を利用することで災害ボランティア活動を行っています。
フレックスタイム制は、従業員が日々の都合に合わせて仕事とプライベートな時間配分を行い、1か月以内の期間の総労働時間内で出勤や退勤の時間を決めることが可能な制度です。育児や介護、自己啓発などの活用の他、時間にとらわれない働き方により心身の充実を目的としています。
当社では、働きがいのある会社づくりに向けた取り組みの1つとして、5日連続の年休取得を推奨しており、多くの社員がこの制度を活用しています。この取り組みを通じて、休暇を取得しワーク・ライフ・マネジメントの充実を図るだけではなく、社員一人ひとりが意識して働き方にメリハリをつけ、ムリ・ムダのない職場環境の整備を行うことも併せて目的としています。
「安川グループ健康経営宣言」を社内外に広く宣言し、トップマネジメントのもと、「健康経営推進委員会」を中心に健康経営を推進しています。2024年3月には「健康経営優良法人2024」の認定を取得しました。従業員一人ひとりが安心して働くことができ、最大限に能力を発揮できる環境を整備することで生産性を向上させ、会社と従業員の持続的な成長・発展を目指します。
安川グループ経営理念である、『安川グループの使命は、その事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献すること』を実現するため、従業員一人ひとりの働きがいのベースとなる健康づくりをサポートし、健康で安全に明るく働きがいのあるグループを目指します。
2023年3月1日
株式会社安川電機
代表取締役社長 小川 昌寛
代表取締役社長の責任のもとに定めた健康経営宣言に基づき、健康経営担当役員を推進体制における責任者とします。
健康経営の推進にあたり、健康経営担当役員を委員長とする健康経営推進委員会を年2回以上開催し、従業員一人ひとりが安心して働くことができ、最大限にその能力を発揮できる環境を整備することで生産性を向上させ、会社と従業員の持続的な成長・発展を目指します。
委員会のメンバーは労働組合委員をはじめ部門横断で構成されています。
健康経営担当部門は、産業医・産業保健スタッフといった専門職、健康保険組合と連携し、組織横断で目標達成に向けた課題解決への対応を進めています。
2023年度より以下の項目について改善を目指し、取り組みを進めています。
目指す姿 | 項目 |
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1.会社で働くことによる病気やケガをなくす (安全配慮義務:会社) |
休業災害度数率 |
一般定期検診受診率 | |
ストレスチェック受験率 | |
2.自律的に健康安全活動を実践する従業員を増やす (自己保健義務:従業員) |
喫煙率 |
適正体重維持者率 | |
運動習慣者率 | |
良好な睡眠比率 | |
飲酒習慣比率 | |
3.従業員一人ひとりが安全で明るく働きがいのある 職場・働き方を実現 (働きがい・エンゲージメント:従業員・会社) |
ワークエンゲージメント |
いきいき活性度 (プレゼンティズム) |
健康課題解決に向けた具体的な取り組み(健康投資)と最終的な指標目標の改善のつながりを示したものとして戦略マップを作成し、取り組みを進めています。
私たちは、安川グループ企業行動規準ガイダンスに基づき、職場の安全性および健全な作業環境を確保し、職場の安全性に関する法令・社内ルールを遵守します。
また、労使で労働安全衛生を管理するための体制を整備し、安全で衛生的な職場環境の維持・整備に努めています。
当社は、安全衛生業務を総括管理するため全社総括安全衛生管理者をおき、中央安全衛生委員会を年2回開催しています。この委員会メンバーは労使同数で構成され、各事業所代表者およびグループ会社代表者はオブザーバーとして参加します。各事業所およびグループ会社は、中央安全衛生委員会で決定された方針をもとに、月1回開催されるそれぞれの安全衛生委員会の中でブレークダウンした独自の方針を決定し管理・運用しています。具体的には、災害事例の周知やその対策、パトロールの指摘事項と改善内容の確認、ヒヤリハットの報告、長時間労働対策、および健康づくりに関するe-ラーニングを実施しヘルスリテラシーの向上に取り組んでいます。
2023年度は以下の教育を実施しました。
教育名 | 教育方法 | 受講者数 |
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新入社員安全衛生教育 | 集合教育 | 139名 |
安全配慮義務教育 | eラーニング | 497名 |
健康づくり教育 | eラーニング | 2770名 |
メンタルヘルス・セルフケア教育 | eラーニング | 2869名 |
労働安全衛生マネジメントシステムの考え方を基本に、各職場において、安全に作業を行うための作業基準書の整備と教育訓練、リスクアセスメント、ならびに日々の業務における災害防止活動を行っています。また、これらの活動が安全衛生方針や目標の達成につながっているか内部監査を行い、指摘項目について各事業所の安全衛生委員会の中での指導を徹底することで、さらなる改善を図っています。これにより、当社および国内グループにおける休業災害度数率は、同業種の平均を下回る水準を維持しています。
2023年度の休業災害度数率は、安川電機:0.16、国内グループ:0.44、海外グループ*:0.56となり、3つの数値すべてで2022年度から悪化しました。原因の大半は作業外の転倒災害によるもので、再発防止の徹底や安全パトロールに加え、ウォーキングなどの健康イベントを行うなど対策を講じています。
* 中国の3工場(瀋陽・常州・上海)およびインド安川の休業災害度数率
安全衛生担当者によるパトロール
労働安全衛生に関する取組みとして、2023年度も引き続き以下の内容を実施しました。
・産業医パトロール、衛生管理者パトロールを定期的に実施することで、指摘する側、される側の安全に対する意識向上を図っています。
・従業員によるヒヤリハット提出の定着を図っています。
・工場事業所においては、専門的な知見からの指摘をより充実させるために、安全巡回監視員による、安全巡視パトロールを実施しています。
・以下の安全衛生教育を実施しています。
雇い入れ時、作業内容変更時、作業基準制定・変更時、3年未満の者への安全教育、特定化学物質取扱者への安全衛生教育、危険・有害業務従事者への特別教育、事業所災害傾向に応じた教育
各種健康診断では、関連する法令や検査の特性を十分に考慮し、作業環境の把握や対象者の選定から検査実施と事後措置まで、有機的かつ効率的な運用を図っています。業務上の疾病予防はもちろんのこと、生活上・就業上の支援に重きを置いた保健指導や教育を行っています。
精神医学的な病気や障害は、他の病気と同様、誰にでも起こりうる疾患であると位置づけ、必要に応じた生活上・就業上の支援を行っています。
また、従業員の健康および生活にさまざまな影響を及ぼす心理的ストレスへの対策の一環として、ストレスチェック制度を活用し、その結果に基づく個人と職場へのフィードバックを行っています。
メンタルヘルスの外部相談については、利用できる時間帯を休日を含む365日・24時間で対応できるよう、相談窓口を拡充しています。
やむを得ず病気やケガで休業した従業員が職場に復帰するときは、本人はもちろん所属長や管理部門、産業医が協力して、可能な限りの人的サポート体制や物理的環境を整え、支援を行っています。