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次世代ロボット 「SmartPal(スマートパル)」の公開について

技術2005年2月14日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は,研究開発を進めている次世代ロボット「SmartPal(スマートパル)」の成果を示すデモンストレーションを当社開発研究所で本日公開いたします。 本デモンストレーションでは,2台のSmartPalが連携して行うオフィス内サービス作業をご覧いただきます。

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SmartPal外観

1. 安川電機における次世代ロボットへの取組み

 安川電機は,1977年に日本で初めての全電気式産業用ロボット「MOTOMAN(モートマン)」を出荷して以来,累計出荷台数は10万台を超え(産業用多関節ロボットで世界一),産業用ロボットにおける世界のトップシェアを確保しております。さらに,従来からの自動車関連市場および液晶や半導体分野への新製品の投入,新用途への拡販を展開する一方,「作業をするロボット」「役に立つロボット」を目指して次世代ロボットに必用な技術開発を積極的に進めております。
 この技術開発は、人のように複雑な動きをする腕や器用な手、作業対象物を認識するセンサ、作業場所へ移動する機能等を実現するための部品(コンポーネント/ユニット)を開発し、これらの部品を利用した次世代ロボット(システム)を用いてアプリケーションの実証試験を行なうというアプローチで進めております。本日ご紹介する SmartPal は、このアプローチで開発した次世代ロボットです。安川電機は、SmartPal で実証した技術を、製造業における組立作業へも展開して参ります。また、これらの技術の多くは、今後大きな市場として期待されている生活支援分野等の非製造業においても共通だと考えております。

2. SmartPalとは

 SmartPalは,人と共存して自律的に作業するために必要な腕部・移動部・コミュニケーション機能・環境認識機能・通信機能をもった,車輪移動形ロボットです。私たちの生活をサポートする,「賢い友達」になって欲しいという思いを込めて,“SmartPal”と名付けました。SmartPalの特長は以下のとおりです。

(1)腕部
 物をつかんだり運んだりするための2本の腕です。一般の産業用ロボットよりも1つ多い7つの関節により,人の腕と同様の自由な動きを実現しています。
 また,安全に作業できるように,物に当たったことを検出できる力センサを手首に搭載しています。

(2)移動部
 オフィス内を自由に移動できる車輪機構です。距離センサ等を利用することにより,障害物を避けながら目的地まで進むことができます。また,エレベータを呼び出して別のフロアに移動することもできます。

(3)コミュニケーション機能
 人と情報交換するための機能です。誰にでも簡単に使えるように,音声認識・音声合成による受け答えが可能です。また,本体前面の画面に触れることでもコミュニケーションができます。

(4)環境認識機能
まわりの状況や物を認識するための機能です。つかもうとしている物がどこにあるかを検出できます。

(5)通信機能
遠方にいる他のロボットや,エレベータ等の周辺装置と情報交換するための機能です。2台以上のSmartPalが協調して動作することもできます。互いの連携プレーで,ロボット一台の時よりも効率の良い作業が可能になります。

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「SmartPal外形図」

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項目 仕様
外寸 幅270×奥行290×高1310 [mm] (下部寸法:幅630×奥行650[mm])
重量 115 [kg] (バッテリ 17 [kg] を含む)
自由度 腕部7,グリッパ1,移動部2
腕部寸法 上腕部φ100×270 [mm],下腕部φ98×225 [mm],手先部78 [mm]
腕部重量 8.3 [kg](可動部)
腕部可搬重量 2 [kg]
移動速度 最大2.8 [km/h]
センサ 力センサ×2,距離センサ×1,接触センサ×9
コミュニケーション機能 音声認識,音声合成,タッチパネル付き液晶ディスプレイ
環境認識機能 CCDカメラ×1
通信機能 無線LAN(IEEE802.11g)
稼働時間 連続2.5時間
[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
開発研究所 企画グループ
課長  藤石弘希
Tel.(093)-571-6644
Fax.(093)-571-6028

 

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