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移乗アシスト装置を開発
– 介助者にも、要介護者にも、すべての人にやさしい介護支援装置の創出 –

技術2014年2月20日

 株式会社安川電機(代表取締役会長兼社長 津田 純嗣)は、2015年ビジョンに掲げるロボティクスヒューマンアシスト事業領域の課題を狙い、このたび介護ベッドと車椅子間における介助者による抱え上げ支援をサポートする移乗アシスト装置を開発しましたのでお知らせいたします。本開発は経済産業省のロボット介護機器促進事業の一環として行っているものです。今後、介護施設や評価機関において安全性や実用性の実証評価を行い、2016年度に製品化を予定しています。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2014/02/357_top_1.jpg

1.製品化の狙い

 超高齢化社会の到来による介護・福祉現場での介助者不足、及び、介助者の負担軽減の観点から、ロボット技術を活用した装置の開発・製品化が強く期待されています。当社は、こうした時代のニーズに応えてロボット介護機器を開発し、介護施設での実証評価を経た後、市場へ投入する予定です。本装置の活用で要介護者のQOL *1の向上および介助者の負担軽減に貢献します。

2.主な特長

従来の移乗介助における課題としては、大きく次の3つが考えられています。
・人手による移乗介助 *2は介助者への負担が大きく、腰痛などを発症することが多い。
・介護リフトの使用による移乗介助は、時間を要し効率が悪い。
・車椅子座面の深い位置に座れず、移乗後に行う様々な動作に適した姿勢が取り難い。

 

これらの課題に対し、要介護者の身体の抱え上げやスリングシート *3の脱着方法を改善したことで、次の3つの特長を持たせています。

 

(1)介助者1人で移乗可能!簡単移動で簡単操作!
移乗開始から終了まで、介助者が1人で要介護者をベッドから車椅子に移乗することが可能です。また、全方向移動キャスターでベッド間や居室間の移動が自由自在です。小型の操作ペンダントで簡単に操作できます。
(2)介助者に介護の負担を与えない!
装置による抱え上げ等のパワーアシストで、介助者に負担を与えません。
スリングシートを活用し要介護者の体型にかかわらずアームでのリフトアップが可能です。
(3)次の動作に移りやすい姿勢制御!
要介護者が、移乗後に行う様々な動作に適した姿勢が取れる姿勢の制御が可能です。
要介護者が正しい姿勢で座れるように、骨盤の傾斜制御を最適に行います。

3.主な用途

介護施設における介護ベッドと車椅子間の移乗介助

4.その他

本装置は、経済産業省が公募する「平成25年度 ロボット介護機器開発・導入促進事業
(開発補助事業)」に採択されています。
介護ロボットポータルサイト

 

*1: Quality of Lifeの略。「生活の質」と訳され、精神面を含めた生活全体の豊かさと自己実現を含めた、人間らしく満足して生活しているかを評価する概念。
*2: 片麻痺患者などの方をベッドから車椅子、車椅子から車への移乗において、患者の身体を抱き上げ移乗の手助けを行うこと。介助者の腰部への負担が大きく腰痛に至るケースが多い。
*3: 自力での移動が困難な方をベッド等から移乗するときに、その人を乗せるためのシートのこと。

 

 

【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
東京管理部長 兼広報・IRグループ長
林田 歩
TEL: 03-5402-4564

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