技術2015年5月28日
株式会社安川電機(代表取締役会長兼社長 津田 純嗣)は、小物部品の組立・ハンドリング、電気・電子部品の配膳・挿入などに適用可能な小型6軸多関節ロボットを開発しました。将来のフレキシブルな生産システム構築に向けて、社内の生産システムへの適用を通して機能検証を行い、実用化する予定です。
仮称:MotoMINI(モートミニ)
ニーズの多様化、技術革新の進化により製品ライフサイクルは短くなっており、家電や携帯電話等の小型製品は多品種少量のものを効率よく生産することが求められます。また、市場の要求がめまぐるしく変化するFAの生産現場では人とロボットの作業分担をフレキシブルに変更して対応する必要性があり、そのためにはロボットが多能工化し、人と共存しながらロボットが作るものに合わせて作業内容を変化させることが必要です。
こうしたニーズに応えるため、当社では人とロボットの共存を基本とした多品種・少ロット生産に対応可能な柔軟で拡張性のある生産設備を目指し、高い自由度を実現する新たな自動化機器を提案していきます。
さらに、自動化機器間のネットワーク化やクラウドを利用した生産ラインの状態監視やデータ管理、 リモートメンテナンス等を適用することで、より理想的な生産システムの実現を目指します。今後は インダストリ4.0の方向性に合わせ、メカトロニクス事業領域にヒューマトロニクス事業領域を加えて人との共存の未来に向かって開発を進めます。
なお、本ロボットは人との共存を考慮し、安全性にも配慮した小型・軽量化を実現しています。
小型ロボットは次の3つの特長があります。
(1)小型・軽量
当社のモータ技術を適用して、可搬質量500gで最大リーチ246mm、質量4.3kgの小型軽量を実現しました。抱えて持ち運びができる大きさで卓上での据付も可能です。
(2)高速
当社の従来最小機種のロボットと比較して動作加速度が2倍以上、特定動作のタクトタイムを25%短縮しました。高速動作での組立、配膳、部品挿入等に使用可能です。
(3)高精度
繰り返し位置決め精度は±0.02mm(参考値)です。また、ロボットハードウェア毎の個体差が少ないため、ロボットの置き換えが動作プログラムのコピーのみで完了し、ティーチング補正はほとんど必要ありません。
小物部品のハンドリングや組立、電気・電子部品の配膳・挿入など、人との共存・協同作業をする設備等に使用可能です。
本ロボットは現在、研究開発段階であり、当社100周年記念行事として、6月より新本社(福岡県北九州市)のロボット村・安川電機みらい館にて展示予定です。
【お問い合わせ先】
株式会社安川電機
広報・IR部長 林田 歩
TEL: 03-5402-4564
FAX: 03-5402-4580