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新型中空スポット溶接ロボットMOTOMAN-SP225H-135を販売開始
-ロングアームタイプの追加で中空スポット溶接ロボットのラインアップを強化-

新製品2019年10月29日

 株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:小笠原 浩)は、スポット溶接用途のロボットMOTOMAN-SPシリーズの新たなラインアップとして、MOTOMAN-SP225H-135(可搬質量135kg 最大リーチ2951mm)を販売開始しましたのでお知らせします。

 本製品はMOTOMAN-SP225H(可搬質量225kg 最大リーチ2702mm)をベースにしたロングアームタイプの中空スポット溶接ロボットです。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2019/10/SP225.jpg

    MOTOMAN-SP225H-135

1.製品化のねらい

 近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)など低燃費で環境に優しいエコカーの開発が世界規模で進められており、それに伴い自動車製造ラインの構成も大きく変化しつつあります。特に、自動車ボディーの製造工程では、低燃費性能の実現に向けた車体軽量化のために、アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など従来の鋼材とは異なる新しい素材が採用され始めています。

 それらの新素材を使用した自動車ボディーの溶接工程では、高加圧スポット溶接への対応が求められるため、それに合わせたライン作りが必要とされています。また、従来にも増して、ライン長の短縮による省スペースや工程統合による高付加価値ラインの構築も求められています。

 このようなニーズに応えるため、中空構造の上アームを採用したスポット溶接ロボットの新たなラインアップとしてMOTOMAN-SP225H-135を開発しました。スポット溶接ロボットのラインアップ強化により、高付加価値を追求した次世代の生産ライン構築に貢献します。また、新たな制御方式を採用し、世界各地で異なる電圧や安全規格にも対応できるロボットコントローラYRC1000との組み合わせで、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出します。

2.主な特長

1)最大リーチ2951mmのロングアームタイプ

 最大リーチが2951mmのロングアームタイプのロボットです。より広範囲の溶接が必要な工程への適用に適しています。また、各軸の最大速度と加減速度の最適化により、スポット溶接動作のサイクルタイム短縮を実現しています。

 

2)上アーム中空構造

 上アーム中空構造により、下記のようなメリットがあります。

 ①艤装メンテナンス性向上

  リスト部が開放構造となっているため、艤装1ケーブルの取り外し、取り付けが容易です。

  また、単線ケーブル交換も可能で、保守性が向上しています。

 ②リスト干渉半径およびリスト幅縮小

  艤装時のリスト2干渉半径およびリスト幅の縮小により対象物との接近性が向上します。

  ※1 ロボットマニピュレータへのケーブル組み付け作業、または、それらのケーブル装備の総称

  ※2 ロボットマニピュレータの手首軸部分のこと

 ③機器の搭載スペースを確保

  上アーム部(U軸)後方に機器を追加できる空間を確保しています。これによりロボット外形からのはみ出し(干渉)を最小限にできます。

 

3)スポット溶接電動ガンの高加圧化およびバッテリレス化

 従来型のスポット溶接電動ガン用サーボモータ(容量1.5kW2.0kW)に加えて、容量2.5kWのサーボモータを開発。これにより、昨今の自動車生産ラインおける自動車ボディーの軽量化に伴う、アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など新素材向けの高加圧スポット溶接への対応力が格段に向上しました。またMOTOMAN-SPシリーズ対応の電動ガン用サーボモータは、当社新開発のバッテリレスエンコーダの採用によりバッテリレス化を実現しており、生産性・メンテナンス性の向上に貢献します。

 

(4) ロボットの出しうる最高速度で動作

 最高速度動作指定(VMAX機能)により、直線動作時の最高速度制限を撤廃しています。ロボットの教示位置・姿勢に応じて、直線動作可能な最高速度を自動計算して動作します。これにより、従来の最高速度制限以上の高速度で動作することが可能となり、ロボットの動作時間を短縮します。

 

(5) 動作速度変化によらず軌道は1

 新たな軌跡制御の採用により、軌跡誤差を最小化(当社従来比 80%向上)しているため、テスト運転・プレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作可能です。

 

(6) セットアップ時間の短縮と省配線

 従来機種では2本必要だったロボットとコントローラ間の接続ケーブルが1本のみとなりました。これによりセットアップの際の配線時間を大幅に短縮するとともに、配線の少ないすっきりとした設備を実現します。

 

(7) メンテナンス性の向上

 マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモータのエンコーダ異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラーム(該当ロボット軸の通信エラー)が表示され、異常箇所を特定しやすくなりました。また、通信線の断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートが各部位に標準搭載3されており、仮復旧・仮配線にかかる時間が短縮できるなどメンテナンス性にも非常に優れています。

 ※3 機種によってマルチポートの設置場所が異なる場合があります。

 

(8) 電源回生機能による省エネ効果

 中大型機種に対応したロボットコントローラYRC1000には電源回生機能が標準搭載されており、お客さまの生産現場での省エネに貢献します。4

 ※4 ロボット機種や用途、またお客さまの生産現場での稼働状況によって、省エネ効果が異なります。

 

(9) 海外電圧(380V480V)にトランスレスで対応可能

 ロボットコントローラYRC1000に内蔵されている電圧変換回路により、海外電圧(380V480V)に変圧器(トランス)なしで対応可能です。これにより、コントローラの大幅な小型化・軽量化を実現しており、また海外で使用する際に変圧器不要で設置できるため、お客さまの海外での生産現場の省スペース化および効率化に貢献します。

3.主な用途

 自動車ボディーや部品のスポット溶接用途

4.販売計画

(1)販売時期  20191029日(火)

(2)販売価格  オープン価格

 

【お問い合わせ先】

株式会社 安川電機 

ロボット事業部 事業企画部 営業推進課

宇郷 徳昭

TEL:093-645-7703

FAX:093-645-7802

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