新製品2019年10月16日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:小笠原 浩)は、脳卒中等の脳血管疾患、整形疾患などによる上肢運動機能障害を持つ方に対するリハビリテーション支援を目的とした前腕回内回外※1リハビリ装置 CoCoroe PR2(ココロエ ピーアールツー)※2を、10月21日(月)より販売を開始することをお知らせします。
当社は、長期経営計画「2025年ビジョン」において、コア事業であるメカトロニクスの応用領域の拡大を掲げています。その応用領域の一つであるヒューマトロニクス事業の確立に向け、医療・福祉機器の開発や実証を進めており、これまでに上肢・下肢のリハビリ装置など、様々な機器を製品化してきました。このたび販売を開始したCoCoroe PR2は、前腕の回内回外運動のリハビリに特化した装置で、日本国内において管理医療機器(クラスⅡ)/特定保守管理医療機器として医療機器認証※3を取得しています。
なお、本装置および上肢リハビリ装置 CoCoroe AR2は11月15日(金)から17日(日)まで静岡県コンベンションセンターで開催される「第3回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会」への出展を予定しています。
前腕回内回外リハビリ装置 CoCoroe PR2
※1:前腕部の運動の一つで、手を内側に回す(手の平が下に向く)運動を回内運動、手を外側に回す(手の平が上を向く)運動を回外運動と呼びます。
※2:PR2:Pronation/Supination Rehabilitation Robotの頭文字から取った製品名です。
※3:医療機器認証番号:301ALBZX00003000
CoCoroe PR2は、サーボ制御により前腕の可動域に合わせて正確に回内回外訓練を提供する装置です。運動に同期した電気・振動刺激や、視覚・聴覚刺激を併用することで、効率的なリハビリテーションを提供できます。訓練時間の確保が難しいといわれる前腕リハビリの訓練を効率的に行うことでADL※4向上につなげることができるとともに、療法士の負担軽減にも寄与します。
患者さんに合わせて可動域(訓練角度)を設定し、適切な反復訓練を行うことができます。下記①~③の訓練モードが選べます。
①回内訓練モード(前腕回内運動の訓練)
回内運動の日常動作例:物をつかむ。髪をとく。ネジを緩める動作等
②回外訓練モード(前腕回外運動の訓練)
回外運動の日常動作例:食べ物を口に運ぶ。顔を洗う。ネジを締める動作等
③回内外訓練モード(前腕回内・回外組合せ訓練)
回内外運動の日常動作例:うちわであおぐ。ドアノブを回す動作等
※図は右腕での装置使用
※4:Activities of Daily Livingの略。日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作「起居動作・移乗・移動・
食事・更衣・排泄・入浴・整容」のことです。
タッチパネルで直感的に操作できるなど、シンプルな製品構成で取り扱いが簡単です。
・適切な可動域で反復訓練ができます。
・目的に応じた訓練モードを選択できます。
・主動作筋に適切なタイミングで電気・振動刺激を与えることで、目的とした運動をしやすくします。
・訓練部位を見て(視覚刺激)、動かす方向を音で確認します。(聴覚刺激)
・適切な回転速度・トルクにより、患者さんの人体反応を促して訓練ができます。
訓練例(回内訓練動作モード)
販売開始:2019年10月21日(月)
・2015年8月27日「前腕回内回外訓練装置」を開発-脳卒中の後遺症治療をサポート-
https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/technology/12424
・2018年10月31日「前腕回内回外リハビリ装置の臨床研究機を開発」
https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/technology/57118
・2017年9月25日「上肢リハビリ装置CoCoroe AR2」の販売開始
安川電機はこれまで培ったロボット技術を生かし、先端的な医療・福祉機器市場の創造を目指しています。これらの機器・コンポーネントをCoCoroe(ココロエ)ブランドと名づけ、展開しています。
・上肢リハビリ装置 CoCoroe AR2 2017年 医療機器認証取得
上肢(肩、肘)の自動運動の介助を行うリハビリ機器。鹿児島大学との共同研究により製品化。
・前腕回内回外リハビリ装置 CoCoroe PR2 2019年 医療機器認証取得
前腕の自動運動の介助を行うリハビリ機器。鹿児島大学との共同研究により製品化。
・足首アシスト装置 CoCoroe AAD
脳卒中等による歩行障害を持つ患者の、歩行リハビリや歩行支援を行うリハビリ装置。
・移乗アシスト装置 CoCoroe TAR (実証中)
ベッドと車いす間の移乗介助における、介助者不足や介助者の負担軽減を目的とした介護機器。
・ReWalk
脊髄損傷による両下肢麻痺者に対して、立位・歩行・着座等の動作を提供する装置。
【お問い合わせ先】
株式会社安川電機
ヒューマトロニクス営業部 営業課
課長 柳本 直樹
TEL:03-5402-4663 FAX:03-5402-4408