新製品2007年11月28日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、伸長著しい小形機械のインバータ市場のニーズに応え、小形汎用インバータの新シリーズとして安川インバータ「J1000」を製品化し、2007年12月21日より順次発売いたします。
エネルギー消費量の増大に起因する地球温暖化は世界共通の問題として認識されており、身近なところでも対策の意識が高まっています。産業システム機器においても「汎用インバータ」は、省エネルギー機器として、更に期待が高まり、用途が拡大しています。
特に小形インバータの分野では、機械の小形化要求にともなって、インバータ自体の小形化や低コスト化が強く要求されています。
こうした状況を背景として、次期インバータシリーズ第1段として2006年12月に発売されました安川インバータ「V1000」シリーズを更にシンプルに、経済的に最適ドライブを実現する「J1000」シリーズを商品化しました。
究極の小形化、簡単操作や簡単設定に加え、環境対策として、標準製品でRoHS(欧州特定有害物質使用制限)指令に適合した安川インバータ「J1000」シリーズを商品化することで、さらなる省エネニーズにお応えします。
(1) 人に、環境に優しい機能を満載
・コンパクト設計
超小形ボディとサイドバイサイド設置により、制御盤をコンパクトに設計できます。
・簡単操作
セットアップモードでパラメータを簡単設定。ベリファイ機能により、出荷設定値から変更したパラメータを簡単に確認できます。
・環境に配慮
標準製品でRoHS(欧州特定有害物質使用制限)指令に対応しています。電磁ノイズを抑えたSwing PWM方式を採用し、耳障りな音も解消します。
(2) 安定操業をサポート「Start・Run・Stopに工夫いろいろ」
・重い負荷でも楽々始動<Start>
全領域・全自動トルクブースト運転で、加減速、一定速にかかわらず高トルクを発生。
重負荷定格で1.5Hz 100% 3Hz 150%を実現します。
・負荷や電源の変動・瞬時停電でも運転継続 <Run>
充実したストール防止機能、速度サーチ機能により、インバータトリップを未然に防止して、運転を継続します。
・制動機能が充実 <Stop>
過励磁制動機能により、制動抵抗器なしでも急制動が可能。更に、制動トランジスタを内蔵しているので、制動抵抗器の追加だけで、より大きな制動力が得られます。
(3) 使って安心の機能&サービス
・耐環境設計
耐湿、耐じん、耐油、耐振などの耐環境強化製品も準備しています。
・保守軽減
コンデンサやファンなどのメンテナンス時期をモニタでチェックでき、安心です。
また、エンジニアリングツールDriveWizard Plus*でパソコンによるパラメータの一元管理も可能です。
・ヒューマンタッチのカストマサービス
製品についてのご質問・ご相談はお気軽にコールセンタへお問い合わせください。専門の技術者が生の声で丁寧にお答えします。
*DriveWizard Plusをご使用する際は、インタフェースユニット(オプション)が必要です。
(4) 使いやすさが広がる豊富なバリエーション
・単相100Vの商用電源に接続できる機種も準備しています。*
・EMCフィルタ内蔵の機種を準備しています。
・周波数設定ボリュームユニットをオプションで準備しています。
・遠隔操作用LEDオペレータをオプションで準備しています。
・メモバス通信用オプションユニットを準備しています。
*開発中
J1000は様々な用途に対応できます。 特に以下の用途に最適です。
(1)小形ファン
(2)給水ポンプ、油圧ポンプなど小形ポンプ
(3)コンベヤなどの小形搬送機器
(4)自動シャッター・ドア
(5)食品機械
(6)農業用機械
(7)健康器具
(8)小形昇降装置
(9)攪拌機、遠心分離機、研磨機などの回転体機械
(1) 製品シリーズ
100V 単相 0.2/0.1〜1.1/0.75kW 計4機種*
200V 三相 0.2/0.1〜5.5/3.7kW 計9機種
200V 単相 0.2/0.1〜2.2/1.5kW 計5機種
400V 三相 0.4/0.2〜5.5/3.7kW 計7機種
*開発中
(2) 標準価格
200V 三相 0.75/0.4kW 43,000円
5.5/3.7kW 115,000円
400V 三相 0.75/0.4kW 74,000円
5.5/3.7kW 150,000円
(3) 販売開始
2007年12月21日
(4) 販売計画
2008年 30000台/月
2009年 60000台/月
※kW表記の数値は、各々(軽負荷定格/重負荷定格)時の駆動可能なモータkWを示します。
※オプションの発売開始日、納入開始日については、別途ご照会ください。
SEMI JAPANが主催するセミコンジャパン2007(2007年12月5〜7日 会場:幕張メッセ)にて、
安川インバータ「J1000」シリーズの展示を行います。
[用語説明]
1. 軽負荷(ND)定格/重負荷(HD)定格
ファン、ポンプなどの比較的軽負荷の機械に対応した定格のことを軽負荷(ND)定格という。これに対して、コンベヤ、小形昇降機など重負荷の機械に対応した定格のことを重負荷(HD)定格という。インバータがこれら2つの定格を持っていると、負荷に応じた最適な容量選定が可能となる。
2. 欧州RoHS指令
電気電子機器特定有害物質使用制限指令の略で、欧州で販売される電子機器に対して鉛などの特定有害物質の含有を禁じている。インバータなどの制御機器はまだ規制対象外であるが、環境負荷物質軽減の観点から対応が望まれている。
3. Swing PWM方式
通常のPWM制御方式では、キャリア周波数が低いと耳障りな金属音が発生し、高いと電磁ノイズが大きくなります。当社独自のSwingPWM方式は、キャリア周波数を上げず、可変することで工場の騒音にまぎれやすい音にして、耳障りな不快音を解消します。
[参考資料]
■ 標準仕様
200V級(三相/単相)
400V級(三相)
共通仕様
項目 |
仕様 |
制御方式 |
PGなしV/f制御 |
速度制御範囲 |
1:20~1:40 |
過負荷耐量 |
ND定格:定格出力電流の120% 60秒 |
入出力端子 |
ディジタル入力5点,ディジタル出力1点 |
*1:単相電源入力のインバータは、出力側が三相出力となっております。単相モータは使用できません。 *2:最大適用モータ容量は、当社標準の4極,60Hz,200V/400Vのモータで示しています。
厳密な選定については、定格出力電流のモータ定格電流以上となるように機種を選定してください。 *3:キャリア周波数2kHz時の値です。キャリア周波数を上げる場合は、電流の低減が必要です。 *4:キャリア周波数10kHz時の値です。キャリア周波数を上げる場合は、電流の低減が必要です。 *5:キャリア周波数8kHz時の値です。キャリア周波数を上げる場合は、電流の低減が必要です。 ■ 外形寸法
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[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
インバータ事業部
マーケティング部
マーケティング課 課長
谷口 直人
Tel. (0930)25-2548
Fax. (0930)25-3431
URL:http://www.e-mechatronics.com/