新着情報

医療用下肢リハビリテーションロボットをリニューアル
- 機能性と操作性を向上 -

新製品2005年3月10日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、病院や家庭で簡単に安心して下肢(足・脚部)のリハビリテーションを提供できるベッドサイド型下肢運動療法装置TEM*1テムLX2 typeCをリニューアルし、TEM LX2 typeDとして2005年3月21日から販売を開始します。

04

TEM LX2 typeD (ひざ関節患者用アタッチメント装着時)」

1.製品化のねらい

 従来製品を使用いただいた医療スタッフ等の意見を取り入れ、機能性と操作性を向上させました。機能性の面では、リハビリで重要とされる屈伸端での動作を、医療スタッフが行う処置方法に、より近づけました。操作性の面では、細かな設定や条件確認を省略し、患者名を指定するだけですぐにリハビリ動作を行うことが出来る簡単設定モードを追加することで操作を簡略化しています。また患者自身が装置の動作を止める事が出来る、反転機能付き患者停止スイッチを追加して患者の安心感を高めています。
 従来、協力医療機関での使用を通じて製品のレベルアップを図ってきましたが、typeD発売により今後は本格的な販売へ移行します。

2.主な特長

 (1)

機能性を向上(オプション)
 下肢のリハビリを行う際、屈伸端の目標角度に近づくにつれ、徐々に抵抗が大きくなり、患者も不安を感じます。このような場合、医療スタッフは、目標角度に近づくにつれ患者の下肢をゆっくりと動かしたり、屈伸動作を繰り返しながら徐々に目標角度に近づけるようにします。また、目標角度に到達した際は、そのままの角度を一定時間保持します。このような医療スタッフのきめ細やかな治療方法を、新たに取り込みました。

 (2)

操作性を向上
 本装置は、リハビリ動作を行う際、多くの動作パターンと各動作パターンでのきめ細やかな速度・角度設定が可能です。これにより本装置が適用できる患者の幅も広がり、各患者個別に最適なリハビリ動作を提供できます。反面、リハビリ動作までの操作は、煩雑になりがちで装置操作に不慣れな医療スタッフへの負担も大きくなります。そこで患者名を選択するだけで過去のリハビリ動作データを呼び出して即座にリハビリ動作を実行できるようにしました。これにより操作画面数は、従来の半分(2画面)になりました。
 また、意識のはっきりとした患者の場合、自分の下肢を装置により動かされることに多少なりとも不安を感じます。そこで患者自身が装置の動作を停止できる反転機能付き患者停止スイッチを装備しています。この反転機能付き患者停止スイッチは、1押しで装置停止、さらにもう1押しで反転動作を行います(1押しごとに停止、反転動作の繰り返し)。具体的には、足を曲げる動作中に1押しすると動作停止、さらに1押しすると伸ばす動作に移行します。不安を感じないところまで伸ばしたらさらに1押しして動作停止、もう1押しすると足を曲げる動作、つまり最初のリハビリ動作に戻ります。患者がリハビリ動作をコントロールでき、安心感につながります。

 (3) 適用患者拡大(オプション)
 特に、ひざ関節接合が不安定な患者の場合、ひざに外力が加わることで逆にダメージを与える可能性があります。そこでひざ関節本来の回転方向をガイドするアタッチメントを新たに準備しました。これによりひざにストレスをかけることなく安全にリハビリ動作を提供できます。

3.主な用途

 病院(病室・集中治療室・リハビリテーション室)や家庭での下肢リハビリテーション

4.販売計画

(1) 販売開始 2005年3月21日
(2) 販売計画 100台/年
(3)

販売価格 399万円~

【文中語句説明】

*1:TEM(Therapeutic Exercise Machine)TEMは、当社の登録商標です。
  ロボットアーム技術をリハビリ装置に応用したもので、ロボットアームにより患者の下肢(足・脚部)を動かしリハビリ動作を提供する。ロボットアームが持つ自由度の高い動作特性によりリハビリ動作で必要とされる多くの動作パターン・条件に対応できる。今まで対象患者毎に存在した複数のリハビリ装置が本装置1台で対応可能となり、リハビリ装置の効率利用を可能にした製品。病院収益や医療スタッフ不足の改善を行い患者の早期回復支援を目的としている。

【対象患者】

 ・脳卒中や心筋梗塞などで意識や身体に障害がある患者
  寝たきり状態の患者の下肢を動かすことことで中枢神経を刺激・活性化したり、血流を促し血栓の発生を防止する。
 ・骨折等の整形疾患患者
  下肢に対する筋肉のストレッチや、関節可動域の維持・拡大。
 ・高齢者
  運動機能維持・回復

 

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
ロボティクスオートメーション事業部  
事業企画部
課長補佐 安高(アタカ)博之
Tel.(093)645-7703
Fax.(093)631-8140

 

PAGE TOP