新製品2011年9月15日
株式会社安川電機(取締役社長 津田 純嗣)は、レーザによる切断・溶接用途において需要の増加が見込まれる高精度軌跡ロボット「MOTOMAN-MC2000」を開発し2011年9月21日より発売します。
レーザビームは、レーザ発振器からレーザファイバを介してワークに自由な位置・方向からレーザを照射することが容易です。また、レーザビームの集光径は、数百ミクロンにまで小さくすることができ、高い精度でワークを加工することができます。さらにレーザ出力の増加により高速でのレーザ切断・溶接が可能です。
そこで、レーザ照射口をロボット先端に装備することで、レーザ加工の特長を最大限に引き出し、立体構造のワークに対する高速・高精度な切断・溶接で生産性向上に貢献できるロボットを開発しました。
今回の開発では、ロボットが高速動作する際に起こるアーム先端での移動軌跡のズレ・ブレを最小限にすべく、ロボット本体の高剛性化とロボットコントローラによる振動・たわみなどの補整機能により、速く・精確に・スムーズに動作できるようにしています。
今後は、高精度軌跡ロボットの開発で得られた成果を水平展開し、当社ロボット全般の軌跡精度向上に取り組みます。
(1)高速での高い軌跡精度
アーム先端移動速度10m/minでの直線移動精度±0.15mm以下、またアーム先端移動速度5m/minでの直径5mm円形動作の真円度±0.15mm以下を実現しました。当社従来機種比2倍の性能向上(当社調べ)となります。この精度実現は、ロボット本体の揺れ・ねじれ・たわみを抑えるための高剛性化を行ったことによるもので、アーム形状の変更、減速機の大型化、モータ出力のアップ等を行っています。
(2)リモートレーザ加工に対応した余裕の可搬質量
アーム先端の可搬質量は30kgで各種レーザ照射口に対応可能です。さらに照射口自体にレーザの方向を変えられる機構を持つことで、通常のレーザ照射口に比べ質量が増えるリモートレーザヘッド搭載時には、最大可搬質量50kgまで装備可能です。余裕の可搬質量で、複数のレーザ加工方式に対応可能です。
(3)レーザ発振器との高い親和性
複雑な立体形状のワークに対してレーザ照射方向を一定に保ちながら切断・溶接を行うには、ロボットは複雑な軌跡をなぞりながら高度な姿勢制御を行う必要があります。この際、直線に近い単純な軌跡のときは高速に、方向が大きく変わる複雑な軌跡の時にはゆっくりと動く必要があります。ロボットコントローラは、レーザ発振器に対し、速度変化に同期してレーザ出力制御を行うための高速通信機能および出力制御機能を準備しています。
近年、自動車産業では環境対応等での車体軽量化を進めており、新素材採用に伴うレーザ溶接の活用や、鋼板の薄板化への対応としてスポット溶接に代表される点接合からレーザによる線接合での強度確保・向上を行っています。ロボットによる自動化が進んでいる2輪・4輪の完成車メーカおよび部品メーカでの需要拡大が望めます。
(1)販売開始 2011年9月21日
(2)販売計画 120台/年
(3)販売価格 オープン価格
[お問い合わせ先]
株式会社安川電機
ロボット事業部
事業企画部
安高(アタカ)博之
Tel(093)645-7703
Fax(093)631-8140