新製品2009年10月29日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)の産業用ロボットは、ロボットが使用される各用途に最適設計することで、高度な顧客要求に応え高い評価を頂いています。このたび、食品・薬品・化粧品等の小物製品の箱詰め・箱積みに最適なMPK・MPLシリーズを開発・製品化し、2009年11月1日より販売を開始します。
食品・薬品・化粧品等に代表される小物製品では、いくつかの数量単位で複数の種類を化粧箱等に詰めて販売されることがあり、ベルトコンベア等で運ばれてくる個々の製品をピックアップし箱詰めする作業は多くの人手が必要とされています。また、販売店への輸送には化粧箱を数十個単位でダンボールへ詰めてパッキングし、そのダンボールを数個から数十個単位でパレット*1に載せて発送されています。このように輸送での効率化は図られていますが、それら重量物の箱詰め・箱積みは人手による作業が多く残っています。
これら製品単体の箱詰め(ピッキング)から、輸送単位での箱詰め(パッキング)・箱積み(パレタイジング)の自動化を実現するため、各工程で必要とされる搬送ロボットを製品化し、トータルでの物流自動化搬送システムの提供を可能にしました。同一メーカによるロボット提供により、ライン構成検討から、立ち上げ・調整、メンテナンス等の顧客生産の多くの状況で、システムとしてのご提供が可能です。さらに、各工程で準備される搬送ロボットは、それぞれがクラス最高の動作速度を備えると共に、ハンド部への配管・配線をアーム内に収納し、動作時の干渉・絡みを無くすなど、顧客の生産性向上に貢献します。
さらに、ビジョンセンサとの組み合わせで、2つのコンベア上を高速で流れてくる小物製品や化粧箱に対し、複数のロボットを負荷の偏りなく効率的に動作させる、リアルタイムオートスケジューリング機能を持ったソフトウエア(MotoPick:モートピック)を準備しています。流れてくる製品をどのロボットが取るのか、取った製品をどの箱のどの位置に置くのか等を自動演算します。これにより、設備稼働率の最適化・最大化を図り顧客の生産性向上を強力に支援します。
(1)ピッキングロボット MOTOMAN-MPK2
・ピッキングロボットは、食品・薬品・化粧品等、清潔性を求められる製品を直接取り扱う工程であることから、くぼみ・溝等を極力廃し汚れが付着しにくい表面形状を採用したことや、殺菌洗浄に用いられる酸・アルカリ洗浄液での丸洗いを可能とした耐洗浄塗装・防水性能を施しています。また、ロボットの機械潤滑剤は食品機械用グリースを採用しています。
・製品を流すコンベア上にビジョンセンサを取り付けることで、無作為に流れてくる製品の位置・方向・品種判別を行い、ロボットによるピックアップと同時に、搬送中に整列作業を行い、正確で見た目にきれいな箱詰めが可能です。
・可搬質量2kgのコンパクト設計で、製品が流れてくるコンベア脇に複数台の設置も容易です。また、天吊りや壁掛けなど自在な設置が可能で、柔軟なライン構築に貢献します。
(2)パッキングロボット MOTOMAN-MPK50
・可搬質量50kgと余裕の容量により、箱詰めされた製品の多数個取りに対応しています。これに伴い、手首軸を大幅に強化し、重量物搬送時の高速整列動作も可能となっています。ダンボールへの製品整列詰め込み等のパッキング作業の効率化が可能です。
・ロボットの幅寸法1014.5mm、最小旋回半径561mmとクラス最小を実現、狭いスペースや高密度配置のラインに応じた設置ができ、設備面積の有効活用が可能です。
(3)パレタイジングロボット MOTOMAN-MPL160
・最終出荷状態の荷姿は、重量物でありながら、ダンボールのように傷つきやすいものや米袋のように変形しやすいものが多く、柔らかな把持を求められると同時に強い力が必要です。これにより、エアー駆動・吸着の利用も多く、その配管は太くなります。これら大容量の配管をアーム内に収められるようアーム先端の手首軸に大口径の中空構造(φ53mm)を採用し、周辺機器やロボットアームとの干渉を無くしました。
・可搬質量160kgと充分な容量を持ち、アーム最大到達距離3159mmとクラス最大の到達距離により、高さ方向への積み上げなど高い汎用性を実現し、顧客生産現場に柔軟に対応します。
食品・薬品・化粧品等での箱詰め・箱積み搬送用途
(1)販売開始 2009年11月1日
(2)販売計画 800台/年
(3)販売価格 MPK2:380万円/セット MPK50:460万円/セット
MPL160:600万円/セット (価格はすべて税込み)
〔ロボット本体、ロボットコントローラ、プログラミングペンダント他〕
【語句説明】
*1:パレット
ダンボールや袋などの物品を単位数量に取りまとめて載せる面を持ち、運搬・保管する際に使用する台。フォークリフトで運搬が行えるよう、差込口が設けられている。素材は木製・プラスチック製が主流。
お知らせ : ご紹介のロボットは、2009年11月25日から28日まで東京ビッグサイトで行われる「2009国際ロボット展」の安川電機ブースにて展示・実演を行っています。
- お問い合わせ先 -
株式会社 安川電機 ロボット事業部
事業企画部 課長補佐 安高(あたか) 博之
Tel:093-645-7703 Fax:093-631-8140