新製品2008年9月25日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、統合(インテグレート)をコンセプトとしたパネル一体形マシンコントローラMP2500のリニューアルを実施するとともに製品ラインナップを強化し、2008年9月30日より発売を開始します。
インターネットやイントラネットを用いた機械・装置のIT化がますます進行し、製造現場における課題解決のアプローチとしてパソコンは重要な機器の一つとなっています。
このような中、当社は、モーション、シーケンス機能およびHMIの統合(インテグレート)をコンセプトに、FAパネルコンピュータをプラットホームとしたパネル一体形マシンコントローラ MP2500を開発し、発売開始以降、広くご愛用いただいています。
近年、機械・システムにおける情報技術(IT)の進化を背景に、主に高級機の分野において、コントローラが取り扱う各種機器情報量が増加し、データ容量の拡大とともに処理性能の向上が求められるようになってきました。一方、機械の高付加価値化ニーズに伴い、汎用機においてもパソコン導入システムの用途が広がり、画面サイズの品揃え、設置自由度の向上など、用途最適システムを実現するフレキシブル性が新たなニーズとして高まってきています。
このたび、このような市場のご要望に応え、パネル一体形マシンコントローラ MP2500の更なる性能向上(リニューアル)とシステムフレキシビリティーを強化した新機種の拡充を行いました。
(1)性能向上<現行製品のリニューアル>
現行製品である15インチ画面一体モデルのパネルコンピュータ部性能を大幅にアップ(従来比2.8倍)しました。また、OS用ディスクに2GタイプのCFカードを採用し、ユーザメモリ領域を強化(従来比約2倍)しています。 本リニューアルにより、よりシステム規模の大きな装置・機械への適用が可能になるとともに、コンピュータ部処理速度向上による応答性の向上が図れます。
(2)システムフレキシビリティーの向上<新機種拡充>
パネル部品とコントローラ本体部を分離して設置可能な新機種(MP2500B)を新たに開発しました。MP2500Bは、機械・装置の規模に合わせて2種類(12.1インチ、10.4インチ)の画面サイズを選択可能で、最長10mまで本体とパネルを分離配置できます。さらに本体部には、豊富な入出力と各種オープンネットワークに対応したMP2000シリーズオプションを1スロット搭載できるオプション構造を採用しました。 用途に最適なオプションモジュールが選択でき、より広い装置・用途への適用が可能です。
(3)画面サイズの品揃えを強化
現行の15インチ画面一体モデルに加え、新たに12.1インチの画面サイズモデルを追加しました。MP2500B専用パネル(12.1インチ、10.4インチ)とあわせ、3種類の画面サイズ(従来は15インチのみ)から、最適な画面サイズを選択可能です。
(4)ビジョンシステムとの融合を実現
パネル一体形機種(MP2500)のPCIスロットに、ビジョンコントローラMYVIS YV250PをMP2500本体に装着し、使用できるようにしました。これによりビジョン&モーションコントロールの一体システムの構築が可能となりました。(MP2500Bは不可)
(5)立上げからメンテナンスまで、場面に応じた便利な機能を集約した標準画面(機能)を搭載
コントローラのセットアップからメンテナンスまで、簡単操作で各種機能を提供するシステム標準画面(機能)を新たに開発し、MP2500の全機種に標準搭載しました。
セットアップ時に必要な、CF(コンパクトフラッシュ)の保護/解除設定や、タッチパネルのキャリブレーション設定が、特殊なコマンド操作など、専門的なパソコン知識を必要とすることなく、ワンタッチで設定できます。また、レジスタ/トレースモニタ機能やプログラムのバックアップ/リストア機能など、メンテナンスに必要な各種機能を標準画面に集約し、専用パソコンを使用することなく、MP2500の画面上から直接、コントローラ/サーボの状態把握やアプリケーションプログラムの入替えができます。
これらシステム標準画面(機能)の活用により、機械・装置の立上げ・保全に要する時間の大幅短縮がはかれます。
(6)MP2000シリーズの多彩・高速・多軸モーション制御を継承
業界最高レベルのモーション制御性能と、オープン高速モーションネットワークMECHATROLINKを背景に、国内シェアNo.1の実績を誇るMP2000シリーズの性能・機能を完全継承しています。
ネットワーク(MECHATROLINK-II)での位置/速度/トルク制御や、各種制御のオンライン切り替えの機能に加え、当社独自の同調位相制御による高精度な電子シャフト、電子カム動作が機械・装置の複雑な動きを実現します。
(7)統合エンジニアリング環境を標準搭載
これまで、MP2500のオプションソフトウェアとして準備していたコントローラのエンジニアリングツールMPE720を、サーボエンジニアリングまで可能な統合開発環境として強化を行い、MP2500全機種に標準搭載しました
これまで専用ソフト(SigmaWin+)を搭載したパソコンを用いてサーボ機器毎に実施していたサーボ調整も、MP2500本体から、ネットワーク(MECHATROLINK-II)経由での操作が可能になりました。
これにより、各々サーボ毎にパソコンを繋ぎ代える手間が省け、より効率的なトータルシステムエンジニアリングが可能になります。
タッチパネルや、VisualC/C++などで作成したアプリケーション画面を使用し、サーボやインバータなどのモータドライブが多いシステムに最適です。
(1)半導体製造装置:スクリーン印刷機、液晶検査装置
(2)電子部品組立:ICハンドラ、インサータ
(3)食品包装機:ラベリングマシン、充填機
(4)金属加工機:サーボプレス、バネ製造機
(5)ロボット:取り出しロボット
(6)印刷機械:オフセット印刷機、グラビア印刷機
(1)販売開始:2008年9月30日
(2)販売計画:1000台/年(MP2500)
(3)販売価格:オープン価格
第11回関西機械要素技術展(M-Tech関西)(開催日:10/1~10/3 会場:インテックス大阪)およびセミコンジャパン2008(開催日12/3~12/5 会場:幕張メッセ)にて、マシンコントローラ MP2500を使用したシステムの実演、展示を行います。
〔お問い合わせ先〕
株式会社 安川電機
モーションコントロール事業部
営業企画部 マーケティング課
内山 孝弘
TEL:(04)2962-5823
FAX:(04)2962-5913