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自動車向け塗装用途オープナーロボットMOTOMAN-MPO10Lを販売開始
- 塗装ブース内の走行装置を無くすことで設備トータルコストの大幅削減を実現 -

新製品2023年2月16日

 株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役会長兼社長:小笠原 浩)は、自動車生産ラインの塗装ブース内で、搬送コンベヤに追従しながら塗装ロボットと協調して自動車ボディーのドア開閉を行う塗装用途オープナーロボットMOTOMAN-MPO10L(可搬質量10kg、最大リーチ2550mm)の販売を開始します。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/MOTOMAN-MPO10L.png

    MOTOMAN-MPO10L

1.製品化のねらい

 自動車ボディーの塗装時には、蓋物といわれるドア、エンジンフード、テールゲートの開閉を行い、それらの外側、内側を効率よく均一に塗装する必要があります。

 この塗装工程は内板塗装工程と呼ばれ、従来の自動化設備では、ドアの開閉動作は塗装用ガンとドアを開閉するハンドの両方を装備した塗装ロボット、もしくは走行装置に搭載されたドア開閉ロボット(オープナーロボット)にて対応していました。前者は生産タクト増や開閉に使うジグが複雑化する問題があり、後者でも長大な走行装置を設置する必要があるため塗装ブース幅の拡張や補強などのイニシャルコストおよびメンテナンスコスト増大につながっていました。

 このたび開発したMOTOMAN-MPO10Lは、搬送コンベヤに追従しながらドアの開閉や保持動作が可能なため、走行装置を無くした設計とすることができました。これにより、導入・稼働・メンテナンスの各場面においてコストを削減するほか、既設の人手による塗装工程の自動化も容易となります。

 また、新たに設置する設備ではブース幅を短縮できることから、空調エネルギーの削減が可能となり、カーボンニュートラルにも貢献します。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/MOTOMAN-MPO10L_01-1.png

2.主な特長

1)内板塗装工程の完全自動化

 搬送コンベヤに追従しながらドア開閉作業ができることで、塗装ロボットは塗装作業に専念でき、余力を持った生産タクトが実現できます。さらに、MOTOMAN-MPO10Lのロボットアームは低い位置にあるため、デッドスペースとなっていた床面近くで動作が可能なことから、塗装ロボットの作業範囲や自動車ボディーとの干渉を回避することができます。これにより、干渉回避待ち時間を最小にし、更なる生産タクトの効率化が可能です。

 

23リンク構造のアーム採用による走行装置レスの実現

 従来の走行装置を用いたシステムで求められる自動車ボディーへの追従距離と同等距離を確保しつつ、自動車ボディー、コンベヤ等の周辺塗装設備、塗装ロボットとの干渉を回避するため、3リンク構造のアームを採用しています。これにより、コンベヤで搬送される自動車ボディーに対し最大追従距離4,000mm*1を実現しています。

*1:自動車ボディーとの相対位置、コンベヤ速度、開閉動作等の条件により変化します。

 

3)導入・稼働・メンテナンスのコスト削減

 長大な設置面積が必要であり、かつ重量物である走行装置が不要な設備構成になることで、工程幅の短縮や床下補強の削減につながり、塗装ライン導入のコストを抑えることができます。

 また、稼働時には、塗装ブース内のダウンフロー2を阻害する要因となっていた走行装置が無くなるため、塗料の飛散減少による塗装品質の向上、塗装ブース内の空調エネルギーを削減し、カーボンニュートラルにも貢献します。

 メンテナンス面でも、走行装置本体のメンテナンス・清掃が不要となることでコスト削減が見込めるほか、MOTOMAN-MPO10Lと組み合わせて使用される塗装ロボット製品のラインアップと推奨予備品を共通化しており、モータ、減速機などお客さまの予備品在庫の負担軽減に配慮しています。

2:塗装ブース内に飛散した塗料を床下に落とす空調のこと

3.主な用途

自動車ボディーの塗装支援

4.販売計画

(1)販売時期  2023220日(月)

(2)販売価格  オープン価格

 

 【お問い合わせ先】

株式会社 安川電機 

ロボット事業部 事業企画部 営業推進課

安高 博之

TEL:093-645-7703

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