新製品2021年10月25日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:小笠原 浩)は、ハンドリング・組立て用途ロボットMOTOMAN-GPシリーズの新たなラインアップとして、特殊な表面処理と食品機械用の潤滑剤を使用することにより、食品加工用途で使用できる新仕様のMOTOMAN-GP8(可搬質量8kg 最大リーチ727mm)を販売開始します。
食品加工用途向けMOTOMAN-GP8
食品加工業界では、工場に届いた食材の開梱・洗浄などの下処理、その後の切り分け・混合・加熱処理・トッピングなどの調理、そして最終的には、完成した食品のトレイ詰め・小分け梱包など、食材に直接触れる工程が多く存在します。このような食材に直接触れる工程では、異物混入・汚染などの衛生面に充分に配慮する必要があります。そのため、食品加工工程で使用されるロボットは、ロボット表面や内部からの塗料片や潤滑剤の飛散等による衛生環境への悪影響を排除する必要があります。
今回製品化した食品加工用途向けMOTOMAN-GP8は、特殊な表面処理と食品機械用の潤滑剤を使用することにより充分な衛生を確保しており、食品加工工程における自動化に貢献します。
(1)メッキによる特殊表面処理
ロボットには塗料による表面処理を行わず、耐食性を向上させたメッキを採用しました。また、外観に使用されるボルトも、耐食性に優れたステンレスボルトを採用しています。これにより、塗装が剥がれることによる塗装片の混入リスクを無くすとともに、水・アルコール・酸性・アルカリ性の洗浄液(洗浄液指定あり*1)での清掃に対応しています。
さらに、滑らかなアーム形状により、食材や調味料がロボットアーム上に付着・堆積しにくく、防じん防滴構造(IP67*2)により、ふき取り・洗浄が容易に行えます。
(2) 食品機械用潤滑剤を採用
ロボット各軸の可動部やギヤに塗布・充填されている潤滑剤に、万が一ラインに混入しても極力健康に被害を与えないH1認証*3を取得した食品機械用潤滑剤を採用し、潤滑剤混入リスクへの対策を行っています。
(3)低温環境での動作確保(0~45℃)
食材は、雑菌の繁殖や腐敗を防ぐため、食材の保存や作業現場を低温で管理する必要が多々あります。従来、低温環境では潤滑剤が硬化して粘性が増し、ロボットの動作速度や加速度を上げられず、加工時間が延びてしまうことがありました。そこで、当ロボットでは低温でも通常動作を確保できる食品機械用潤滑剤を使用することで、生産性への影響を無くしています。
*1:指定洗浄液については、製品仕様書および取扱説明書に記載しています。
*2:電気機器内への異物の侵入に対する保護等級の規格で、粉じんが内部に侵入せず、規定の圧力、時間で水中に浸せきしても有害な影響を受けないレベル。高圧洗浄には対応しておりません。
*3:NSF(国際衛生科学財団)が規定している食品機械用潤滑油の規格
・食品加工工程での食材の開梱・加工・梱包
・食品・化粧品等の衛生品の箱詰め、段ボールへの収納
(1)販売時期:2021年10月25日(月)
(2)販売価格:オープン価格
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
ロボット事業部 事業企画部 営業推進課
安高(アタカ) 博之
TEL:093-645-7703