お知らせ2009年6月10日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、このたびハイブリッド電気自動車(以下、
HEV)用にモータ、ジェネレータ、パワーコントロールユニットからなるモータドライブシステムを、
マツダ株式会社様と共同で開発しました。
近年の地球環境問題に対する関心の高まりにより、自動車にはますます環境対応のための
技術革新が求められています。その中でも注目を集めているHEVには、小型軽量、高出力かつ
高効率なモータドライブシステムが必要です。当社はこのニーズに応えるため、長年培ってきた
モータドライブ技術を活かし、高出力でかつ高効率を実現したモータドライブシステムを開発しました。
本モータドライブシステムは、電気駆動系の高効率化のメリットを最大限に活かせる方式として、
エンジンの出力をすべて電気エネルギーに変換し、全駆動をモータのみで行うシリーズハイブリッド
方式への適用を目指して開発しました。
シリーズハイブリッド方式
ジェネレータ パワーコントロールユニット モータ
(1)コンパクトで高効率なIPMモータ(*1)、IPMジェネレータ(*1)を採用
一般産業用機器の小型・高効率モータとして定評のあるIPMモータをベースに車載用として最適化した、車輪駆動用のモータと、エンジンに直結して発電するジェネレータを開発しました。特にモータは、自動車の加速性能と高速巡航性能を両立するために、高トルクかつ広い定出力範囲が得られる巻線切替モータとしました。
(*1)IPMモータ、IPMジェネレータについて
IPM(Interior Permanent Magnet)はロータの内部に永久磁石を埋め込んだ構造をもつもので、効率良く出力トルクを得られるため、近年、省エネ用途でその適用が急速に拡大しています。
(2)高効率を実現したパワーコントロールユニット
パワーコントロールユニットは、車輪駆動用のモータの制御を行うインバータと、エンジンから最適な電力を取り出すためのジェネレータの制御を行うインバータの2インバータ一体型です。
モータを駆動するためのインバータ部には、工作機械などの産業用モータドライブで培った
巻線切替技術を応用し、自動車の駆動に適した新開発の電子式巻線切替技術を適用しました。
この巻線切替によって、中・高速運転でのモータ効率を大幅に改善しています。
巻線切替を自動車に応用する場合は、切り替え時のトルク変動が運転感覚に直接影響するため、半導体パワー素子を用いた超高速切替と、新開発の電流制御技術の組合せによって、全く違和感のないスムーズな自動車の加減速を実現しました。
また、このパワーコントロールユニットは水冷方式を採用することにより、従来の産業用
インバータと比較して大幅な小型化を図りました。
今回開発したモータドライブシステムは、2009年3月25日にマツダ株式会社様より
発表された、『マツダ プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド』に搭載されています。
当社では、今回のハイブリッド電気自動車用モータドライブシステムの開発をはじめとして、これまで培ってきたメカトロニクス技術を、環境・エネルギー分野へ展開していきます。
[ お問い合わせ先 ]
株式会社 安川電機
東京総務部 広報グループ長
林田 歩
Tel. (03)5402-4564
Fax. (03)5402-4580