新製品2019年11月26日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:小笠原 浩)は、人協働ロボットの新たなラインアップとして、食品製造ラインへの導入が可能なMOTOMAN-HC10DTF (可搬質量10kg、最大リーチ1200mm) を販売開始します。
MOTOMAN-HC10DTF
近年、人手不足が深刻な食品業界では、安全柵なし※1で人と並んで作業ができる人協働ロボットのニーズが高まっています。しかしながら食品に直接触れる製造ラインなどでは、衛生面の課題があることからロボットの導入が難しく、人手に頼ることが多いのが実状です。そのような課題に対し、ロボットの表面に特殊なメッキ処理を施すことでロボット全体の洗浄にも対応するとともに、食品グリースを採用するなど、食品製造ラインで求められる安全性や衛生面へ配慮した人協働ロボットMOTOMAN-HC10DTFをこの度製品化しました。従来の人協働ロボットMOTOMAN-HCシリーズと同様に、安全柵が不要なことから狭いスペースにも設置できるほか、安全機能や簡単な操作など、ロボット操作に不慣れな方でも容易に導入が可能です。「食の安全」に対する関心が高まる中、食品製造ラインへの人協働ロボットの導入を実現します。さらには、食品分野にとどまらず、薬品・化粧品の搬送など、様々な工程において多様化するお客さまのご要望に応えます。
※1 安全機能により安全柵なしのシステム構築が可能ですが、全てのケースにおいてリスクアセスメントを実施する必要があります。
(1)塗装片混入リスクを排除した特殊な表面処理で、洗浄液での洗浄にも対応
ロボットに特殊なメッキ処理を施すことにより、ロボットの塗装片混入リスクを排除し食品製造ラインでの安全性を確保します。また、酸/アルカリ性洗浄剤やアルコール※2によるロボット全体の洗浄も可能で、衛生的な食品製造ライン構築に貢献します。
※2 使用できる洗浄液には制限があります。
(2)食品グリースの採用
万一ラインに混入しても極力健康に影響を与えない潤滑油であるH1認証※3を取得した食品グリースを採用し、潤滑剤混入リスクへの対策を実施しています。
※3 NSF(国際衛生科学財団)が規定しているH1規格を満たした食品グリース。
(3)防じん・防滴保護等級※4で、IEC規格のIP67※5を全軸において実現
全軸においてIP67の防じん・防滴構造を実現しています。また、先端フランジの材質はステンレスを採用しています。
※4 IEC(国際電気標準会議)で定められている製品の防じん・防水における保護等級(International protection Code)
※5 IP67:じんあいは侵入せず、一時的な水没に対して保護できる。
(4)ロボット先端部へのコネクタ配置による使いやすさの向上
ロボット先端部にコネクタを配置したことでツールを直接取り付けることが可能で、セットアップ時間の短縮にも貢献します。またロボット内蔵ケーブルについても、食品搬送にて多く使用するエアホース内蔵タイプやロボット先端へのカメラ搭載などに便利なETHERNET用ケーブル内蔵タイプを準備しています。
(5)安全運転・安心設計
当社の人協働ロボットMOTOMAN-HCシリーズの機能を踏襲し、外部からあらかじめ設定した制限値を超える力を検出すると自動で停止する「人協働モード」を備えており、安全柵の設置が不要です※1。また、アーム同士を離すことで隙間を確保する「挟み込み防止」の形状となっています。そのため、生産設備の自由度が向上し、今までロボットの導入を見送っていた現場や、ロボットの設置が困難とされていた工程などにおいてもロボットを使用した自動化の可能性が拡大します。
(6)ロボット操作に不慣れでも簡単な操作が可能
プログラミングペンダントを使用した従来のティーチング方法に加えて、ロボットアームを直接手で掴んで自由に操作し任意の動作を教示できる「ダイレクトティーチング機能」を備えています。直感的な操作によるロボットへの動作指示が可能になるため、ロボット操作に不慣れなお客さまや、頻繁にティーチングが必要となる工程へのロボットの導入が容易になります。
食品製造工程での搬送、食材の盛付け・デコレーション
薬品・化粧品などの搬送
(1)販売開始 2019年11月26日(火)
(2)販売価格 オープン価格
なお、本製品は2019年12月18日(水)~21日(土)に開催される2019国際ロボット展(会場:東京ビッグサイト 南2ホール 小間番号S2-03)へ出展します。
※ETHERNETは、富士ゼロックス株式会社の商標です。
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
ロボット事業部 事業企画部 営業推進課
宇郷 徳昭
TEL:093-645-7703
FAX:093-645-7802