新製品2005年4月19日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は既に発売中のMRL(マシンルームレス)*2エレベータ用超薄形エレベータ制御装置をさらに使い易くし、抜群のコンパクト性と省エネなど環境にやさしい機能を持たせた新シリーズ「Smartrix」(スマートリックス)の開発を完了し、2005年6月21日からサンプル供給を開始します。 |
超薄形エレベータ制御装置「Smartrix」 |
1.製品化のねらい
当社は産業用モータドライブ製品の一環としてエレベータ制御装置を生産販売し、過去数多くの製品を納入してきました。最近のエレベータ用制御装置に対するMRL市場の要求として、省スペースに加えて省エネや電源高調波などの環境対策が強く求められるようになっています。 |
2.主な特長
(1) |
さらに小さく、しかもメンテナンス軽減 |
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・ | 従来インバータ方式において必要であった主回路部品の電解コンデンサや制動抵抗回路をなくすことで大幅に制御装置サイズを削減し、昇降路内の小スペースへの制御装置の設置を容易にしました。 | |
・ | 寿命部品の1つである主回路電解コンデンサがないため、メンテナンスの手間が軽減されます。 | |
(2) |
環境にやさしいシステムを実現 |
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・ | マトリクスコンバータ技術により、エレベータ昇降時の運動エネルギーを容易に電源に回生することができ、省エネ運転が可能となっています。(制動抵抗回路による回生方式に比べ40~60%の省エネ) | |
・ | エレベータ用として既に3万台以上納入している当社のIPMモータと組み合わせることでMRL用エレベータの駆動に最適な省エネドライブを実現しました。 | |
・ | 電源高調波含有率のTHD*4約7%以下を実現し、特別な高調波対策が不要です。 | |
(3) |
制御装置の機能アップ |
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・ | エレベータコントローラ エレベータ専用の多彩な機能を搭載すると共にリモートメンテ、データトレース機能などを充実させ、エレベータ装置のメンテナンス性を飛躍的に向上させました。これらの機能を従来の当社コントローラから大幅に演算性能を向上させた最新のコントローラで実現しています。 |
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・ | 抜群の乗り心地を実現 エレベータのかごの上下振動の抑制を行う制振制御機能を搭載し、乗り心地性能を大幅に向上させました。この制御方式の特長はエレベータの機構特性情報(慣性・剛性の定数)が全く不要であり、制振制御のチューニングをエレベータ毎に行う必要がありません。また、この制御によりかごの微弱な振動を早く抑えることで、かごの停止時間を短縮できます。 |
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・ | カスタマイズドインターフェース基板 カストマのご要求により、エレベータの安全回路等を組み込んだインタフェース回路基板をご用意しています。これにより、省配線と省スペースを実現します。 |
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(4) |
停電時も安全 |
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・ | 停電時はバッテリのDC電源に切り替え、救出運転のための非常運転が可能となっています。(バッテリはオプション) |
3.主な用途
マシンルームレス用エレベータ
4.販売計画
(1) | サンプル供給開始 2005年6月21日 |
(2) |
製品シリーズ: |
(3) |
販売価格:200V級 5.5kW:本体標準価格 2,500,000円 |
(4) |
販売目標:2005年度 1000台以上 |
【文中語句説明】
*1:マトリクスコンバータ | |
3相のAC電源を直接3相のAC波形に変換する変換装置 | |
*2:MRL機械室レス Machine Room Less | |
制御装置とモータをエレベータの昇降路内の限られたスペースに設置できる為、これらを収納する機械室が不要になる。 | |
*3:IPM(Interior Permanent Magnet)モータ | |
永久磁石付きのモータ | |
*4:電源高調波(THD) | |
商用電源の正弦波(基本波)に対する歪の度合いを表し、THDは、全高調波歪率を示す。 |
[お問い合わせ先] |
株式会社 安川電機 |
システムエンジニアリング事業部 |
システム工場 生産部 応用技術課 |
担当課長 園田 敬介 |
Tel.(0930)25-2279 |
Fax.(0930)23-2096 |
E-mail.keisuke@yaskawa.co.jp |