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MOTOMAN専用デジタルインバータ溶接電源 MOTOWELD-EL350を開発
- 溶接スパッタレス(当社比1/4)を実現 -

新製品2005年6月28日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、アーク溶接用でデジタルインバータ方式*1を採用した新形溶接電源「MOTOWELDモートウェルド-EL350」を開発し2005年6月30日から販売を開始します。

 

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MOTOWELD-EL350

 

 

1.製品化のねらい

 

 アーク溶接ロボットの主要販売先である自動車業界では、“環境に優しい”“高い安全性”をテーマに、クルマに使われる素材もアルミ、ステンレス、高張力鋼へと変化し、板厚も薄板と厚板の複合化が進んでいます。
 この多様な混合板厚や材質に対応するアーク溶接方法に応え、溶接スパッタを減少させ溶接速度を高速化したアーク溶接用のデジタルインバータ溶接電源「MOTOWELD-EL350」を開発しました。

 

 本製品は、短絡溶接やパルス溶接でのステンレス・アルミ等の複数の溶接を1台で実現した、当社既存製品デジタルインバータ溶接電源「MOTOWELD-E350II」の機能をそのままに、溶接制御用の専用演算チップを搭載することで、短絡溶接での大幅なスパッタ*2減少、ステンレス、アルミ溶接の高性能化とさらなる高速溶接を実現しました。

 

 また、悪環境で使用される溶接機自体の信頼性を向上させるために、ダイオード、電解コンデンサ等のパワー回路の強化やエアフィルタを標準装備し、ファン等のメンテナンス部品交換も容易な設計にしています。

 

本製品は、当社産業用ロボット「MOTOMAN」との組み合わせ専用製品です。他にロボット・溶接電源・その他周辺機器を組み合わせたパッケージ製品も準備しています。

 

 

2.主な特長

 

(1)

発生スパッタ1/4、溶接速度1.2倍の高性能溶接を実現
 溶接制御用の専用演算チップを搭載したことにより演算処理速度(当社比3倍)を引き上げました。これにより短絡溶接では波形制御の精度を高め、スパッタレス(当社比1/4以下)を実現し、パルス溶接では250A以上の大電流で1.5m/min以上(当社比1.2倍)の高速パルス溶接を実現しました。さらにアルミ用パルス溶接では、40A以下(当社比1/2以下)の極低電流パルス溶接を実現しました。
 使用可能な溶接母材は、極細径ワイヤΦ0.6からΦ0.8、Φ0.9、Φ1.0、Φ1.2と5種類のワイヤ径に標準で対応し、その送給も専用演算チップで制御することで高性能溶接を実現しています。
 他に設定電流と実電流の違いを自動補正する機能や溶接電源出力ケーブルの異常を検出する機能を搭載し高性能溶接の安定化を図っています。

(2)

溶接品質保証機能を充実
 ワイヤ送給、溶接電流の異常をリアルタイムでモニタリングできます。また当社ロボットコントローラNX100と接続することで、溶接電流・溶接電圧をロボット側でもモニタリングすることができます。

(3) 悪環境下での適用可能
 溶接電源内を制御部とパワー部に完全に分離して制御部を密閉しただけでなく、パワー部へのヒューム*3やスパッタの影響を減少させるために、冷却エア取り込み口にエアフィルタを標準装備しました。ファンの取り外し、取り付けも容易な構造としています。

 

 

3.主な用途

 

 自動車、オートバイ、自転車などの製造における足回り・シートフレーム・マフラ等のアーク溶接用途(板厚1mm~6mm程度の軟鉄・ステンレス・アルミニウム材質)

 

 

4.販売計画

 

(1) 販売開始 2005年6月30日
(2) 販売計画 1200台/年
(3)

販売価格 98万円/台

 

 なお、来る6月30日(木)~7月2日(土)にポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「HUBTEC 2005 ものづくり中部-溶接・レーザ総合技術展」において「MOTOWELD-EL350」と当社産業用ロボット「MOTOMAN」との組み合わせにより、アーク溶接の実演・展示を行います。

 

 

【文中語句説明】

 

*1:デジタルインバータ方式
  溶接電源の出力である電流、電圧の波形を任意に成形でき、プログラムやデータベースにより波形を自由に変えられる。溶接方法や溶接される材質にあった最適波形が選択できる。
*2:スパッタ
  溶接中に発生・飛散する火花で高温のために液状化した金属。このスパッタは溶接される部品へも降り注ぎ、付着し冷えて固形金属に戻る。溶接終了後、このスパッタ除去作業が必要で生産性向上面のネックとなる。
*3:ヒューム
  溶接による熱で酸化・蒸発し空気中に漂っている状態の金属。この金属蒸気が装置の冷却ファンから吸い込まれ装置に悪影響を与えることがある。

 

[お問い合わせ先]
株式会社 安川電機
ロボティクスオートメーション事業部  
事業企画部
課長補佐 安高 博之(アタカ ヒロユキ)
Tel.(093)645-7703
Fax.(093)631-8140

 

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