新製品2008年9月30日
株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、マシンコントローラ MP2000シリーズに、高速で高機能の新しいオープンモーションネットワークMECHATROLINK-IIIに対応した新製品をラインアップし2008年10月21日から販売を開始いたします。
産業機械装置の分野においては、省配線ニーズやオープンネットワークの普及を背景に、ネットワークシステムの需要がますます高まってきています。現在、MECHATROLINKは、通信速度10Mbps 最大スレーブ数30局のMECHATROLINK-IIが普及しており、これまでの総出荷ノード数は48万ノードと多数の出荷実績があります。また、対応製品としてPLC、モーションコントローラ、サーボドライブ、ステッピングモータ、インバータ、IO、温調器など150機種以上の製品が各社から発売されており、さまざまな産業機械装置にその製品が適用されており、オープンなモーションネットワークとして業界のデファクトスタンダードとなっています。
また、産業機械装置では、近年、さらなる生産性の向上や、生産ラインに合わせた柔軟なシステム対応が求められており、機械を制御するモーションフィールドネットワークに対して、ネットワーク高速化や装置の大型化に伴って、システム構成の柔軟性や接続距離の延長など大規模システムへの対応などの高性能・高機能化が求められています。
MECHATROLINK-IIIは、このような要求に対応するために、標準化団体であるMECHAROLINK協会により仕様を策定し、公開された新しい高性能・高機能なオープンモーションネットワークです。
こうした状況の中、以下の点を特徴としたMECAHTROLINK-III対応のモーション制御モジュールSVCモジュールを製品化し、さらにその性能を生かすためマシンコントローラMP2000シリーズ製品群の強化を図りました。
1) 最速で最高のモーションシステムをオープンな環境で実現
2) 最大256軸の制御を可能とした豊富な品揃え
3) 最高性能のサーボと接続し、豊富なアクチュエータをサポート
4) 自由な接続形態
5) 統合エンジニアリング環境の提供
6) 高速多軸制御・高精度化を簡単に実現
7) セルフコンフィグレーションによる簡単セットアップ
(1)最速で最高のモーションシステムをオープンな環境で実現
オープンモーションネットワークMECHATROLINK-IIIに対応し、最速なモーション制御を可能としたモーション制御モジュールSVC-01を開発しました。これをMP2000シリーズ本体に装着することによりMECHATROLINK-III対応ノードへの高速なアクセスが可能となります。
これにより、機械・システムの動作をさらに高速化することが可能となり、生産性が格段に向上します。従来、制御の高速化においつかず、パルス列やアナログで制御し、ネットワーク化できなかった機械・システムにも適用が可能となります。
(2) 最大256軸の制御を可能とした豊富な品揃え
モジュラタイプ、オールインワンタイプよりシステムに最適な構成を選択可能です。
最大で256軸のサーボを完全同期できます。また、従来のMP2000シリーズのすべての製品・機能が使用可能であり、1台のマシンコントローラで、サーボ制御モジュールSVC-01とSVB-01を使用することで、MECHATROLINK-IIIとMECHATROLINK-IIの併用も可能です。
(3) 最高性能のサーボと接続し、豊富なアクチュエータをサポート
当社のACサーボΣ-VシリーズとMECHATROLINK-IIIによる接続が可能です。
これにより、最高性能のサーボ制御が可能となり、機械・システムに最適なアクチュエータを選択可能となります。
Σ-Vシリーズは、位置決め整定時間の大幅短縮(整定時間0~4ms、当社従来品比 1/12以下)と高精度位置決めを実現しています。これは、業界最高レベルのサーボ応答性(速度周波数応答:1.6kHz)と高分解能エンコーダ:100万パルス/rev (20bitエンコーダ)を標準搭載することにより実現可能としています。
また、産業用途機械・システムの機械の構造や要求される性能に合わせて豊富なモータ、アクチュエータを品揃えしており、回転形モータとしては、小容量から中容量までミドルイナーシャ(中慣性)とローイナーシャ(低慣性)のモータを品揃えし、ダイレクトドライブモータ、リニアモータとの接続も可能にしており、産業用途機械・システムの駆動部の全てをカバーしています。
また、IOシステムは、当社のIO製品のほか、MECHATROLINK協会のパートナーメンバの特長ある製品が適用可能です。
(4) システムにあわせた自由な接続形態
MECHATROLINK-IIIによるネットワーク接続形態として、カスケード接続とスター接続が可能となりました。
また、従来、MECHATROLINK-IIでは最大接続距離がトータル距離で50mであったのに対して、MECHATROLINK-IIIによるネットワーク接続では、局間で100mまで伸ばすことができます。また、局間ごとの距離の制限しかなくトータル距離の制限はありません。また、最小距離がMECHATROLINK-IIでは、50cmであったのに対して、MECHATROLINK-IIIによる接続では、20cmまで短くすることが可能です。
これにより機械・システムにあわせたネットワーク接続構成が可能となりました。
オプションモジュールを使用することで、各種I/O機能や各種オープンネットワークに対応でき、さまざまな機器との接続が可能です。
・Ethernet
・Devicenet
・PROFIBUS
・EtherNet/IP
・FL-Net
(5) 統合エンジニアリング環境の提供
MP2000とパソコンとの接続で、MECHATROLINK-IIIによるネットワーク接続しているすべてのサーボのエンジニアリングが可能となりました。これにより、従来、パソコンを各サーボに接続し、エンジニアリングしていた作業がなくなります。サーボの軸数が増えるほどその作業効率があがります。
(6) 高速多軸制御・高精度化を簡単に実現
MP2000シリーズの高速多軸制御・高精度化はMECHATROLINK-III接続のシステムでも、継承しており、機械のタクトタイム短縮、高精度化を実現します。また、位置・速度・トルク制御への対応、制御モードのオンライン切り替え機能に加え、最大256軸の完全同期制御を実現しています。
(7) セルフコンフィグレーションによる簡単セットアップ
「簡単」をコンセプトに、モーションネットワーク MECHATROLINKに接続されたサーボユニットやI/O機器を自動認識し、自動的にセットアップする機能をMECHATROLINK-IIIでもサポートしています。MECHATROLINKのスレーブ機器を接続するだけで接続のセットアップは完了しますので、すぐに使用可能になります。
高速・高応答性を追及する装置で、サーボ軸数が多いアプリケーションを必要とする機械・システムに対して有効です。特に、補間制御に加えて、電子カム、電子シャフト機能が必要な多軸機械に最適です。
(1) 半導体製造装置:スクリーン印刷機、液晶検査装置
(2) 電子部品組立て機:ICハンドラ、インサータ
(3) 食品包装機:ラベリングマシン、充填機
(4) 金属加工機:バネ製造機、サーボプレス
(5) ロボット:取り出しロボット
(6) 印刷機械:オフセット印刷機、グラビア印刷機
(1) 販売開始2008年10月21日 予定
(2) 販売計画 10000台/年
(3) 販売価格 オープン価格
第11回関西 機械要素技術展(M-Tech関西)(開催日:10/1~10/3 会場:インテックス大阪)およびセミコンジャパン2008(開催日12/3~12/5 会場:幕張メッセ)にて、システムの実演、展示をおこないます。
-お問い合わせ先-
株式会社 安川電機
モーションコントロール事業部
営業企画部 マーケティング課
桑村 竜太郎
TEL:(04)2962-5823
FAX:(04)2962-5913