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世界初の新形7軸アーク溶接最適化ロボット
- ロボット姿勢の自由度拡大で常時最適姿勢での溶接と設備面積1/2を実現 -

新製品2008年4月8日

 株式会社安川電機(取締役社長 利島 康司)は、アーク溶接の生産性向上、ロボットシステム溶接設備の高密度配置と簡素化による溶接ラインの省スペース化を実現した、世界初となる7軸構成の新形アーク溶接最適化ロボット「MOTOMAN-VA1400」を開発・製品化し、2008年6月21日より販売を開始します。

1.製品化のねらい

 当社のロボット出荷台数は好調に推移し、「アーク溶接用途ロボット」は世界トップシェアを維持しています。当社は、顧客ニーズをロボット開発に積極的に取り入れ、用途ごとのニーズにマッチした新形ロボットを市場へ投入、ロボットシステムのソリューションを提供し続けています。

 自動車産業を代表とする溶接ラインでは溶接設備の高密度配置や簡素化による省スペース化が求められています。当社では、ロボット姿勢の自由度をより拡大し、長物・大形や複雑形状ワークなどの溶接において、ワーク形状に見合った最適な溶接姿勢を常に確保できる動作特性と、動作速度の高速化を実現することによって、生産性向上、溶接設備の簡素化と設備面積の大幅削減を図ることをねらいに、新形7軸タイプの「MOTOMAN-VA1400」を開発・製品化しました。

 「MOTOMAN-VA1400」は、7軸制御によってロボット姿勢の自由度を拡大したほか、トーチケーブルや溶接アースケーブル等を内蔵した高速のアーク溶接最適化ロボットです。動作特性の向上と高速化による生産性向上とともに、広い設備面積を要するロボット配置が不要、分割工程の統合などで溶接設備の簡素化と設備面積1/2を実現し、高密度配置のアーク溶接ロボットシステムを可能にしました。

 従来からの6軸タイプのアーク溶接用途ロボットに加え、新形7軸タイプのアーク溶接最適化ロボットを新規機種として市場投入し、アーク溶接用途ロボットの更なるシェアアップを図っていきます。

2.主な特長

(1)ロボット姿勢の自由度拡大による常時最適姿勢での溶接、高速化で生産性向上 【別紙補足資料-1を参照】

 7軸目を構成する回転軸(θ軸)をロボットの下アーム(下腕)中間部に設け、ロボット姿勢の自由度を拡大した7軸制御を実現しています。世界初の7軸アーク溶接最適化ロボットは、θ軸によるアームの回り込み姿勢がとれるので、トーチの最適溶接姿勢を常時確保したままで、ロボットアームとワーク・治具との干渉回避が容易にでき、大形ワークや治具の各方向から常に最適姿勢で溶接可能です。また、ワーク内部への進入や内面溶接も容易になりました。
 可搬質量3kgで、繰り返し位置決め精度は±0.08mmと高精度です。θ軸によるロボット姿勢自由度の拡大、最大リーチ1434mmの広い動作範囲によって動作特性を格段に向上したほか、各軸の動作速度も最大5%アップ(当社従来機比)してクラス世界最高速を実現しました。動作特性の向上と高速化により、生産性アップが図れます。

(2)設備面積1/2に削減、高密度配置のアーク溶接ロボットシステムが可能

 新形7軸タイプは、ロボットアームの回り込み姿勢による干渉回避よって、ワークの上部方向からもトーチの最適溶接姿勢をとれるので、ロボットを棚やポジショナ*上面などへ搭載して溶接が可能です。
 これまで、自動車フレームやシートフレームなどの長物・大形・複雑形状ワーク等の溶接を行う場合、ワーク・ポジショナの横周辺位置へのロボット設置や1工程に複数台のロボット設置、作業分割による多工程化などで、干渉回避や適正な溶接姿勢を確保することが大半でした。広いスペースを必要としていた横周辺位置へのロボット設置から、棚やポジショナの上面へ搭載することによって設備面積を1/2に削減することが可能になりました。このほか、ワークのポジショナへのセッティングや溶接ラインのレイアウトの自由度が拡がります。
 また、近接配置のロボット同士のアーム干渉回避姿勢が容易にとれるので、狭いスペースに複数のロボット設置が可能なことや、ロボット2台設置で2工程を要していた設備を1台のロボットで実現できるようになりました。設備面積の削減やロボット台数を削減でき、高密度配置のコンパクトなアーク溶接ロボットシステムを構築できます。

(3)溶接トーチケーブルやアースケーブル、ガス及びエアホースをロボットに内蔵

 新形7軸タイプは、アーク溶接最適化ロボットとして、溶接トーチ、トーチケーブルをロボットアームに内蔵した一体構造を継承しています。動作時に隣接するロボットや周辺機器とケーブルとの干渉が無く、ワークや治具などの狭くてゆとりがない場所への進入が容易なうえ、溶接ワイヤの送給性向上による溶接品質アップ、ケーブルの挙動スペースの削減、ケーブルの寿命延長などに寄与します。
 これらに加えて新形7軸タイプでは、溶接アースケーブル(60mm2)とガス用ホース(1本)、エア用ホース(1本)を、ロボットのベース部に内蔵可能な構造にして、使いやすさとメンテナンス性の向上を図っています。

3.主な用途

自動車や機械関連部品などを主としたアーク溶接用途

4.販売計画

(1)販売開始  2008年6月21日
(2)販売計画  1000台/年
(3)販売価格  452万円/セット (税込み) 〔ロボット本体、ロボットコントローラ含む〕

お知らせ : 本ロボット「MOTOMAN-VA1400」は、2008年4月9日から4月12日までインテックス大阪で行われる「2008国際ウエルディングショー」の安川電機ブースにて、展示・実演を行っています。

・文中語句説明
*「ポジショナ」
:アーク溶接などで、治具等を介してワークを取り付け、ロボットと協調動作しながら常に適正な姿勢で溶接するための位置決め周辺装置

・添付写真 「MOTOMAN-VA1400」

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2008/04/2_index_3_1.jpg

新形7軸タイプ「MOTOMAN-VA1400」のポジショナ上部への搭載例図
(溶接トーチの最適姿勢を常時確保したまま、治具・ワークとの干渉を容易に回避)

- お問い合わせ先 -
株式会社 安川電機 ロボット事業部 
事業企画部 課長補佐  安高(あたか) 博之
Tel:093-645-7703 Fax:093-631-8140

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