新着情報

ACサーボドライブΣ-Xシリーズにデータのカスタマイズ機能を備えたFT仕様を販売開始
- センシングデータの収集や一次解析に加えモーション制御へのフィードバックが可能に -

新製品2023年1月30日

 株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市 代表取締役会長兼社長:小笠原 浩)は、2021年3月に製品化したACサーボドライブΣ-X(シグマ・テン)シリーズにおいて、標準品のサーボパックにお客さまの装置や用途に応じた最適な機能を追加して「FT仕様」として販売しています。このたび、FT仕様の一つとして、センシングデータのカスタマイズ機能を備えたΣ-XシリーズFT55/FT56仕様を130日(月)から販売開始します。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/01/FT55_56-4.png

    ACサーボドライブΣ-XシリーズFT55/FT56仕様

1.製品化の狙い

 当社は20213月に「進化を加速するモーション×デジタルデータソリューション」をコンセプトにACサーボドライブΣ-Xシリーズを製品化しました。Σ-Xシリーズは高機能・高性能化に加えて、センシングデータを活用して当社ソリューションコンセプト「i³-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を実践する製品ラインアップとして多くのお客さまからご好評をいただいています。お客さまの多様化する装置ニーズに応えるため、長年のACサーボドライブの活用で蓄積したノウハウを生かし、装置の用途別に最適な機能を搭載したΣ-XシリーズFT仕様の機種展開を増やしていくことでお客さまの装置の付加価値の向上および「i³-Mechatronics」の具体化を加速していくなかでの機能強化になります。

2.製品概要

 FT55/FT56仕様は、コントローラ用エンジニアリングツールMPE720を用いることで、サーボ内にユーザーがアプリケーション(プログラム)を組むことができるユーザーカスタマイズ機能を付加した製品です。ユーザーカスタマイズ機能を用いることで、サーボドライブ内でセンシングデータの収集や一次解析に加えモーション制御へのフィードバックを行うことができます。この機能により上位コントローラの処理負荷を軽減するとともに、上位コントローラの処理周期やネットワークの遅延に依存しないモーション制御を高速に行うことが可能となり、今まで以上に装置の高機能化・高性能化に貢献できます。

3.主な特長

 FT55/FT56仕様は標準のΣ-XSサーボパックに下記の3機能を付加しているのが特長です。

 

①センシングデータカスタマイズ機能(FT55/FT56仕様共通)

 センシングデータカスタマイズ機能は、サーボ内で実行するユーザーアプリケーションでサーボ パックのセンシングデータを収集し一次解析する機能です。FT55/FT56仕様では、センシングデータ(位置/速度/トルクに関するデータ、サーボモータやサーボパックの稼働状態のデータなど)を最速125μsで高速に収集できるとともに、センサーネットワークΣ-LINKⅡに接続された外部センサーからのデータもサーボパックの制御周期に合わせてユーザーアプリケーションで収集できます。これらのセンシングデータを用いて精度の高い解析(最大値・最小値の検出、イベント回数のカウント、状態監視)を行い、装置に最適なデータにカスタマイズして上位コントローラへフィードバックすることで、装置の予防保全や生産品質向上に貢献できます。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/01/img_013002.jpg

②機器間データ共有機能(サーボパック間)(FT55/FT56仕様共通)

 サーボパック間の機器間データ共有機能は、同じMECHATROLINK-4ネットワークに接続された他のサーボパック(FT55仕様またはFT56仕様)のセンシングデータを伝送周期ごとにサイクリックに共有する機能です。1軸あたり32[byte]のデータを最大5軸まで共有できます。サーボパック間のデータ共有機能を活用することで他のサーボパックの位置情報や稼働状態が把握できます。これにより自軸だけではなく、他軸を含めたより高度なセンシングデータの解析が可能となります。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/01/img_013003.jpg

③カスタムモーション機能(FT56仕様のみ)

 カスタムモーション機能は、サーボ内のユーザーアプリケーションから直接モータを制御できる機能です。コントローラMP3000シリーズのカスタム動作モーションコマンドが指令されている間、サーボパックが独自にモーション制御(位置決め、定速送り、補間制御、速度制御、トルク制御)を実行することができます。

 サーボが自律して動作することで上位コントローラの処理負荷を軽減するとともに、上位コントローラの処理周期やネットワークの遅延に依存しない高速なモーション制御が行えます。また、サーボパック間の機器間データ共有機能およびセンサーネットワークΣ-LINKⅡに接続された外部センサーを利用し、複数軸で連携したモーション制御を実現できます。本機能によって、より高速・高精度なモーション制御が実現でき、生産品質向上や装置性能の向上、付加価値向上につながる装置アプリケーションに貢献できます。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2023/01/img_013001.jpg

4.製品ラインアップ

 FT55仕様およびFT56仕様は50Wから15kWまで幅広い容量帯のサーボパックで対応可能です。FT55MECHATROLINK-4通信指令およびMECHATROLINK-Ⅲ通信指令、FT56MECHATROLINK-4通信指令のみ対応可能です。

5.主な用途

 半導体・液晶製造装置、電子部品実装機、金属加工機、包装機や産業用ロボットなど広く一般産業機器全般でご使用いただけ、特に下記の用途に最適です。

・高速で収集したセンシングデータによる装置の予防保全や異常検知の用途(FT55仕様)

・センシングデータを活用した生産品質の見える化の用途(FT55仕様)

・上位コントローラの処理周期やネットワークの遅延に依存しない高速モーション制御を行う用途(FT56仕様)

6.販売計画

(1)販売開始日 2023年 1月30日(月)

(2)販売価格  オープン価格

 

 【お問い合わせ先】

株式会社 安川電機

営業本部 CRM戦略推進室

北條 玄静

TEL:03-5402-4507

PAGE TOP