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新型中空スポット溶接ロボットを販売開始
- 上アーム中空構造で高加圧スポット溶接に対する対応力強化 -

新製品2017年11月27日

 株式会社安川電機(代表取締役社長 小笠原 浩)は、自動車のスポット溶接用途の新型ロボットMOTOMAN-SP110H(可搬質量110kg 最大リーチ2044mm)、MOTOMAN-SP180H(可搬質量180kg 最大リーチ2702mm)およびMOTOMAN-SP225H(可搬質量225kg 最大リーチ2702mm)の計3機種を販売開始しますので、お知らせいたします。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2017/11/SP225H_01.png

    MOTOMAN-SP225H

1.開発のねらい

 近年、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)など低燃費で環境に優しいエコカーの開発が世界規模で進められており、それに伴い自動車製造ラインの構成も大きく変化しつつあります。特に、自動車ボディーの製造工程では、低燃費性能の要求に伴う車体軽量化のために、アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など従来の鋼材とは異なる新しい素材が採用され始めています。

 それらの新素材を使った自動車ボディーの溶接工程においては、高加圧スポット溶接への対応が求められるため、それに合わせたライン作りが必要とされています。また、従来にも増して、ライン長の短縮による省スペースや工程統合による高付加価値ラインの構築が求められています。

 

 こうしたニーズに対し、当社が開発した新型スポット溶接ロボットMOTOMAN-SP110H, MOTOMAN-SP180HおよびMOTOMAN-SP225Hは、信頼性を確保しながら、高速かつ高密度配置を実現し、高付加価値を追求した次世代の生産ライン構築への包括的なソリューションを提供します。また、新たな制御方式を採用し、世界各地で異なる電圧や安全規格にも対応できる新型ロボットコントローラYRC1000との組み合わせで、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出します。

2.主な特長

(1)上アーム中空構造

上アーム中空構造により、下記のようなメリットがあります。

 

a. 艤装メンテナンス性向上

リスト部が開放構造となっているため、艤装ケーブルの取り外し、取り付けが容易です。 また、単線ケーブル交換も可能ですので、保守性が向上しています。

  • https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2017/11/SP225H_02.png

    リスト部の解放構造

b. リスト干渉半径及びリスト幅ダウン

艤装1時のリスト※2干渉半径及びリスト幅ダウンにより対象物との接近性が向上します。

1 ロボットマニピュレータへのケーブル組み付け作業、または、それらのケーブル装備の総称

2 ロボットマニピュレータの手首軸部分のこと

 

c. 搭載機器スペースを確保

上腕部(U軸)後方に機器追加できる空間を確保しています。これによりロボット外形からのはみ出し(干渉)を最小限にできます。

(2)スポット溶接電動ガンの高加圧化およびバッテリレス化

従来型のスポット溶接電動ガン用サーボモータ(容量1.5kW2.0kW)に加えて、容量2.5kWのサーボモータを新たに開発。これにより、昨今の自動車生産ラインおける自動車ボディーの軽量化に伴う、アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など新素材向けの高加圧スポット溶接への対応力が格段に向上しました。またMOTOMAN-SPシリーズ対応の電動ガン用サーボモータは、当社新開発のバッテリレスエンコーダの採用によりバッテリレス化を実現しており、生産性・メンテナンス性の向上に貢献します。

 

(3)ロボットの出しうる最高速度で動作

最高速度動作指定(VMAX機能)により、直線動作時の最高速度制限を撤廃。ロボットの教示位置・姿勢に応じて、直線動作可能な最高速度を自動計算して動作します。これにより、従来の最高速度制限以上の高速度で動作することが可能となり、ロボットの動作時間を短縮します。

 

(4)動作速度変化によらず軌道は1

新たな軌跡制御の採用により、軌跡誤差を最小化(当社従来比 80%向上)しているため、テスト運転・プレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作可能です。

 

(5)セットアップ時間の短縮と省配線

従来機種では2本必要だったロボットとコントローラ間の接続ケーブルが1本のみとなりました。これによりセットアップの際の配線時間を大幅に短縮するとともに、配線の少ないすっきりとした設備を実現します。

 

(6)メンテナンス性の向上

マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモータのエンコーダ異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラーム(該当ロボット軸の通信エラー)が表示され、異常箇所を特定しやすくなりました。また、通信線の断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートが各部位に標準搭載※3されており、仮復旧・仮配線にかかる時間が短縮できるなど、メンテナンス性にも非常に優れています。

3 機種によってマルチポートの設置場所が異なる場合があります。

 

(7)電源回生機能による省エネ効果

今回販売開始される中大型機種に対応した新型ロボットコントローラYRC1000には電源回生機能が標準搭載されており、お客様の生産現場での省エネに貢献します。4

4 ロボット機種や用途、またお客様の生産現場での稼働状況によって、省エネ効果が異なります。

 

(8)海外電圧(380V~480V)にトランスレスで対応可能に

新型ロボットコントローラYRC1000に内蔵されている電圧変換回路により、海外電圧(380V~480V)にトランスレスで対応可能です。これにより、コントローラの大幅な小型化・軽量化を実現しており、また海外でご使用される際に変圧器(トランス)不要で設置できるため、お客様の海外での生産現場の省スペース化および効率化に貢献します。

3.主な用途

自動車ボディーや部品のスポット溶接用途

4.販売開始

2017年11月29日(水)

 

 なお、本製品は2017年11月29日(水)~12月2日(土)に開催される2017国際ロボット展

(会場:東京ビッグサイト 東4ホール 小間番号IR4-47)へ出展※⁵いたします。

※5 MOTOMAN-SP225Hを出展予定

 

【お問い合わせ先】 

株式会社安川電機

ロボット事業部 事業企画部

営業推進課 梅村 建介

TEL:093-645-7703

FAX:093-645-7802

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