2022年8月8日
2022 国際食品工業展(FOOMA JAPAN 2022)では実演により「AI×ロボットによる次世代の食づくり」を提案しました。今回の提案は、当社、株式会社FAMS※1および株式会社アイキューブデジタル※2とで連携し、
i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)※3コンセプトに基づいた製品を通じて、食品業界向けにサステナブルな良品製造や廃棄ロス低減に貢献する取組みです。この取組みの最新提案として、データ活用によるAIとロボットを連携したシステムを紹介します。
※1 株式会社FAMS
Food & Agriのお客様へメカトロニクスの力で創造したソリューションを提供
※2 株式会社アイキューブデジタル
生産現場の自動化、最適化を実現するデジタルシステムインテグレータ
※3 i3-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)とは
「新たな産業自動化革命の実現」に向け、これまでのソリューションにデジタルデータのマネージメントを加えた新たなソリューションコンセプト
安川グループのi3-Mechatronicsコンセプトに基づき、デジタルデータのマネージメントを加えることで全体最適を目指した食品製造におけるスマート工場の実現を提案します。
今回提案するスマート工場では、AI画像判定により不良品の情報をデータ化し(Y’s-Eye)、その不良品データを蓄積することで、品質状況や統計結果を視える化できます。これらを分析することで、不良発生を低減、さらには廃棄ロスを低減し、結果的にサステナブルな良品製造へとつなぐことが可能です。
安川グループでは、AI、IoTを駆使した上位システム(Y’s-SFシリーズ)も提案しており、リードタイムを考慮した高精度な工程スケジューラ(Y’s-SF Scheduler)、生産ラインの設備やシステム、機能とリンクして稼働状況や作業を監視、管理する製造実行管理システム(Y’s-SF MES)、また、生産エリアの機器、稼働情報、装置内情報を収集する設備監視システム(Y’s-SF Equip)などのIoTソリューションも準備しています。
株式会社アイキューブデジタル 2022国際食品工業展出展資料より
株式会社アイキューブデジタル 2022国際食品工業展出展資料より
人協働ロボットとして安全性を確保し、さらに衛生面にも配慮した食品仕様です。塗装剥がれによる異物混入リスクを対策し、サニタリ性向上、清掃しやすい構造です。また、簡単に移設可能にした手押し台車とのパッケージも準備しています。
YRM-Xコントローラ
セル※4全体の状態を把握することで、生産品質や生産性が向上します。
装置やロボットを同期制御しながら、同時にデータ収集を行いセル全体の稼働状況を把握することができるため、セル内の各機器が役割(タスク)に従って自律的に動作する「自律分散制御」を実現します。
※4 セルとは
複数の装置およびロボットからなる構成で、共通のワークを持つなど、データの関連性が存在するひとつながりの設備
株式会社アイキューブデジタル 2022国際食品工業展出展資料より
画像の専門知識は不要、難しいパラメータ設定も不要です。AI(ディープラーニング)画像解析技術により、あいまいな判定に適用可能です。人の知見の追加学習機能搭載で使えば使うほど検知精度がUPします。対象物に合わせた様々な排除機構と連携し、省人化・自動化に貢献します。
株式会社アイキューブデジタル 2022国際食品工業展出展資料より
・Y’s-SF Scheduler スケジューラ
多品種多工程の作業計画(工程スケジュール)を高速に作成するためのシステムです。
・Y’s-SF MES 生産実行管理
生産ラインの様々な設備やシステム、機能とリンクし、稼働状態や労働者の作業を監視・管理するシステムです。
・Y’s-SF Equip 設備監視
生産エリアの機器稼働情報、装置内情報を収集するシステムです。
2022 国際食品工業展では、上記のキープロダクトを使用し、異物検査+除去アプリケーションのデモを実演しました。
食品製造においては、安全、安心のために人の目視による検品作業が多くあり、この検品作業は、集中力が必要な熟練作業となっています。
さらに、食品は形状や色など1品1様で、人による判断はばらつきが大きくなります。昨今の画像処理とAI技術の進化により、画像データでも人の目と同等の判別ができるようになったことで、AI活用の画像判定ニーズが高まっています。
このデモでは、コンベヤ上に流れてくるワークをビジョンで撮像、その画像からAIが異物や不良品を検知し、検知した異物や不良品をロボットが除去します。AI活用の画像判定により、人の目でしか判別できなかったモノを数値化し、そのデータを活用して、ロボットと組み合わせることで自動化のソリューションを提供できます。
株式会社アイキューブデジタルHPより
「検査対象特化型モデル Y’s-Eyeハンバーグ」
株式会社アイキューブデジタル 2022国際食品工業展出展資料より
このデモ機は、冷凍ハンバーグを想定して、焦げ、異物、欠け、割れなどの不良品をAIが検知しています。AIの判定は、単純に不良品というだけでなく、どのような不良かも判定しており、不良の内容によってロボットの動作を変えています。
ロボットは事前のティーチングによって決められたパターンで動作しますが、変種変量生産への対応やAIとの連携はノウハウが必要になります。
そこで安川グループでは、ロボットメーカーだからこそ可能なシステムのパッケージ化、さらにはロボットの自律化を進めて、スマート工場の実現を目指しています。
今回は、安川グループが2022 国際食品工業展で実演した「AI×ロボットによる次世代の食づくり」を紹介しました。安川グループは、今後も、i3-Mechatronicsコンセプトに基づいた製品を通じて、食品業界向けにサステナブルな良品製造や廃棄ロス低減に貢献するソリューション提案に取り組んでいきます。
今後とも、進化する安川グループにご期待ください。