新製品2017年10月17日
株式会社安川電機(代表取締役社長:小笠原 浩)は、モーションコントロール市場において、産業用装置の高機能、高精度化に貢献するために、1990年代前半にモーションフィールドネットワーク”MECHATROLINK(メカトロリンク)”を開発しました。このたび、従来のMECHATROLINK-Ⅲ(以下、M–Ⅲ)の機能・性能と使いやすさを継承しつつ、伝送効率の向上やマルチマスタ機能の追加等により、より効率的で高度な制御を実現するMECHATROLINK-4(以下、M-4)を開発しました。
また、1990年代半ばにサーボアンプとサーボモータのエンコーダ間の通信として開発した“Σ-LINK(シグマ・リンク)“においても、エンコーダだけではなくセンサなどのI/O機器も接続し同期できる機能を追加したΣ-LINK Ⅱを開発しましたのでお知らせいたします。
近年、産業界をとりまく環境は、生産やそのオペレーションのスマート化、IoT・AIを活用したフレキシブルかつ安定生産の実現など、大きく変化しようとしています。このような背景から、生産現場における様々な機械や設備において、製品品質の確保や予知保全用等の各種センサが大量に接続され始めており、それらから生まれる製品データの収集と活用が求められています。
このたび開発したM-4とΣ-LINK Ⅱを組み合わせて使用することで、モーション制御に関連するデータだけでなく、各種センサのデータも簡単・シンプルに同期して取得することが可能です。これにより、生産性を更に向上させるとともに、IoTやAIを活用した新しいものづくりの実現を支援していきます。
なお、開発したM-4とΣ-LINK Ⅱは、2018年度中にMECHATROLINK協会(MECHATROLINK Members Association、以下MMA)へ技術移管することを決定しましたので、合わせてお知らせいたします。
MMAとともに、MECHATROLINKの更なる普及・推進、そして新しいものづくりの実現に向け取り組んでまいります。
MECHATROLINK-4とΣ-LINK Ⅱを活用した生産システム
①MECHATROLINK-4
従来のM-Ⅲの持つ高機能、高性能、高信頼性と使いやすさを維持(アプリケーション互換の確保)しつつ、伝送効率(同一条件で4倍の性能向上)の改善とマルチマスタ機能による分散システム対応等による更なるシステムの高機能・高性能化を提供するだけでなく、開発・維持管理の簡単化を実現しました。
また、M-4の仕様としては、将来の更なる性能向上に向けて1000Base-Tを物理層に採用できるようにしています。(M-4G)
MECHATROLINK-4の主な仕様
②Σ-LINK Ⅱ
従来のエンコーダ用通信(Σ-LINK)としての高機能・高信頼性通信を維持しつつMECHATROLINKのようなカスケード接続を可能とすることで、エンコーダ配線にエンコーダだけでなく、センサやI/O機器 等の機械側に設置される機器をカスケードに接続することにより、システムの高機能・高性能化と省配線化を実現しました。
Σ-LINK Ⅱの主な仕様
今回開発したM-4およびΣ-LINK Ⅱは、MMAを通じて、仕様公開を準備中です。また、このコンセプトは東京ビッグサイトで開催されるシステムコントロールフェア2017(2017年11月29日(水)~12月1日(金))の当社ブースおよび、MMAブースにて披露していく予定です。
※Ethernetは、富士ゼロックス株式会社の商標です。
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
モーションコントロール事業部
事業推進部 営業推進課 西村光裕
TEL: 04-2962-5470
FAX: 04-2966-0746