新製品2022年3月7日
株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、代表取締役会長兼社長:小笠原 浩)は、従来の可搬質量10kgの人協働ロボットをショートアーム仕様にすることで、ロボット周囲側近の手元作業性が強化されたMOTOMAN-HC10SDTP(可搬質量10kg、リーチ900mm)を新たにラインアップし、販売を開始します。
MOTOMAN-HC10SDTP
当社はロボット周囲の安全柵なし※1で人と並んで作業ができる人協働ロボットのラインアップを充実させることで、省スペースでフレキシブルな生産ラインの実現、そしてロボットの活用分野の更なる拡大を図っています。これにより深刻化する労働力不足に対し、自動化、品質の安定化、低コスト化が期待できます。
このたび開発したMOTOMAN-HC10SDTPは、人協働ロボットMOTOMAN-HCシリーズの可搬質量10kgタイプのアームを1200mmから900mmにショートアーム化した機種になります。従来機種よりもアームを短くしたことで、手元の作業性が強化されるとともに、人と近い領域で作業できるようになったことで、設備の省スペース化を実現します。さらに、ロボットが旋回する領域の確保が不要なアームスイング動作により、さらなる省スペース化のほか最短距離での搬送や作業時間短縮にも貢献します。
本製品もMOTOMAN-HCシリーズの特長である、高い安全性と初めてロボットを触る方でも簡単に操作できるなどの特長を引き継いでいます。各社ハンドメーカーから人協働ロボット用として販売されている豊富なエンドエフェクターや周辺機器との接続を簡易化しているため、容易にロボット導入が可能です。
※1 安全機能により安全柵なしのシステム構築が可能ですが、全てのケースにおいてリスクアセスメントとリスク低減方策を実施する必要があります。
(1)ショートアーム化による手元作業性の強化
アームが長ければ、遠くへのアクセスが可能で、作業領域も広くすることができますが、手元の作業が苦手になりがちです。(野球のバッティングやテニスで体の側に来た球に対応が難しいイメージ)
MOTOMAN-HC10SDTPは、従来機種よりもアームを1200mmから900mmに短くすることで、アクセス範囲や作業領域が人に近づき、人との作業置換えが容易になります。人と同じ作業領域に設置しても圧迫感を感じづらいサイズとなっています。それに加え、MOTOMAN-HC10SDTPは、アームスイング動作により、ロボットが旋回する領域の確保が不要で、最短距離での物の搬送が可能となり、省スペース化および作業時間短縮に貢献します。さらに、従来の可搬質量10kgタイプに比べアーム動作速度が10%向上(当社特定動作パターン比)しています。
また、全軸においてIP67※2の防じん・防滴構造を実現しています。表面塗装はアクリルウレタン塗装、先端フランジの材質はステンレスを採用しており、衛生面への配慮から水洗が必要な用途での使用も可能です。
※2 IPはIEC(国際電気標準会議)で定められている製品の防じん・防水における保護等級(International Protection Code)を示し、IP67の場合、じんあいは侵入せず、一時的な水没に対して保護できる。
アームスイング動作
(2)周辺機器との簡易接続(Plug & Play)の実現
ロボット先端のエンドエフェクター取付け部は、標準規格「ISO9409-1-50-4-M6」に準拠しており、同規格準拠の豊富なエンドエフェクターや周辺機器など、様々な機器と簡単に接続そして動作させることが可能です。また、ロボット内蔵ケーブルとして、ロボット先端へのカメラ搭載などに便利なETHERNETケーブル(Cat.6)やI/O用のケーブル、エアホースを内蔵しており、ロボット外装に配線を無くすことで、周辺機器との干渉を避けることができ、セットアップを容易に行うことが可能です。
(3)安全運転・安心設計
当社の人協働ロボットMOTOMAN-HCシリーズの安全機能を踏襲し、外部からあらかじめ設定した制限値を超える力を検出すると自動で停止する「人協働モード」を備えており、安全柵の設置が不要です※1。また、アーム同士を離すことで隙間を確保する「挟み込み防止」の形状となっています。今まで、作業者への安全確保のためロボットの導入を見送っていた現場や工程などにおいても、ロボットを使用した自動化が可能です。
▼「人協働モード」で安全運転
▼「挟み込み防止」の安心設計
(4)ロボット操作に不慣れでも簡単に操作が可能
プログラミングペンダントを使用した従来のティーチング方法に加えて、ロボットアームを直接手でつかんで自由に操作し任意の動作を教示できる「ダイレクトティーチング機能」を備えています。
直感的な操作によるロボットへの動作指示が可能なため、ロボット操作に不慣れなお客さまや、頻繁にティーチングが必要となる工程へのロボットの導入が容易になります。
また、タッチパネル方式で直感的に操作できるタブレット型のユーザーインターフェース「スマートペンダント」にも対応しております。
▼アームを手動で移動させ教示可能
▼スマートペンダントの
タッチパネル画面で楽々操作
※イメージの写真は
人協働ロボットMOTOMAN-HC10DTです。
・自動車・機械関連部品などのハンドリング・組立て
・工作機械へのワークの投入(マシンテンディング)
・食品のハンドリング※3
・薬品・化粧品などのハンドリング
※3 SIやユーザーで十分なリスクアセスメントを実施したうえで適用ください。
(1)販売時期 2022年3月9日(水)
(2)販売価格 オープン価格
本製品は、2022年3月9日(水)~12日(土)東京ビッグサイトで開催される「2022国際ロボット展」の当社ブースで展示します。
・安川電機ブース:東1ホール E1-03
※上記文章中に記載された名称は、各社の商標または登録商標の場合があります。
【お問い合わせ先】
株式会社 安川電機
ロボット事業部 事業企画部 営業推進課
安高(アタカ) 博之
TEL:093-645-7703