100周年を迎えた2015年、本社地区はロボット村として本社を建て替え、安川電機みらい館を新設、安川電機歴史館をリニューアルしました。2021年には技術者600名が集う技術集約拠点となる「安川テクノロジーセンタ(YTC)」も稼働開始しました。
安川テクノロジーセンタ(YTC)1954年に完成した旧本社は、2015年の100周年事業で建て替えられ、その一部であった講堂は鉄筋コンクリートにもかかわらず有機的で波型(シリンドリカル形状)のファサードを備えたユニークな建物で、補強工事などが行われ歴史館として保存されました。この旧本社・講堂の設計は、旧帝国ホテルなどを手掛け「近代建築の三大巨匠」と呼ばれたフランク・ロイド・ライトの弟子であった新進のレーモンド建築設計事務所に委嘱されたものです。デザイン面だけでなく自然の風を流すルーバーの設計など機能面でも細かいところまで非常に練られた、歴史的にも価値の高い構造物です。
IoT(モノのインターネット化)の潮流のなか、当社の取り組みとして2017年にこれまでのメカトロニクス機器による自動化にデジタルデータ活用を付加したソリューションコンセプト「i³-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を提唱しました。これを実現するためデータの視える化ソフトや新コントローラなどハードウェアとソフトウェアの両面から新製品の開発、その製品を自社工場で実証、販売強化など生販技一体で取り組み、新たな産業自動化革命に向けてお客さまへ価値をご提供しています。
ソリューションコンセプト i³-Mechatronics「データは世界の共通言語」とした10代目社長の小笠原氏の旗振りのもと2020年をYDX元年とし、安川版のDXを推進していきました。グループ連結約70社の勘定項目のコードを一元化するなど経営情報の見える化を促進することで経営に関する数字のリアルタイムでの把握ができるようになりました。
1970年代の第一次オイルショックの混乱のなかにおける、経営への危機感から、創業者・安川第五郎の「創立の動機」をもとに、当社の企業理念を成文化した「社憲」を1979年に制定しました。そして2022年にグローバル全従業員の一体感醸成に向け、理念を「私たちの存在意義」、「私たちの価値観」、「社員の心得」に分け、安川グループ経営理念として改めて整理しました。これに先立ち2021年にはサステナビリティ方針を策定しました。この方針に沿ってサステナビリティ課題・目標とするマテリアリティを特定し、長期経営計画や中期経営計画における目標を展開することで戦略的なサステナビリティの推進を図っています。
安川グループ経営理念産業の高度化に伴ってモータの活用/応用領域が急速に広がっています。スマートフォン部品の組み立て、第五世代移動通信(5G)の基地局整備、電気自動車(EV)での従来の溶接・塗装などに加えたバッテリー(二次電池)搬送、エネルギー確保のためのパイプライン(オイル&ガス)、数㌨レベルへの微細化が求められる半導体、労働者不足を補うロジステックでの自動倉庫、植物工場などといった新領域においても当社の変わることのない考え方である「モータとその応用」を実践し、お客さまの実現したいコトに対して安川電機は新たな挑戦を続けています。そしてこれらの活動は安川グループ経営理念の「当社グループの使命は、その事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献することにある」とした実践そのものになります。
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